亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

最終イベントに向かう朝鮮半島

2006年10月10日 17時09分18秒 | 金市場
昨日の昼間から昨夜、そして本日と金市場の流れを見ているが、今回の核実験をどの程度の材料として捉えるのか市場自体が評価に迷っているといったところ。北朝鮮というエネルギーからみも何もない国の出来事ゆえに、原油価格を刺激する要素もなく、怖いのはdesperate(自棄になる)な行為に走られること。連想的には、この事件に対する国際世論の動向をイランが見極めようとしており、次の中東での出来事に影響を与える要素になりえる、という点だろう。国連安保理や中韓での合意に手間取るようなら、イランの外交姿勢が強硬なものになりそうだ。金市場内では買い方(ロング)は元より地政学的イベントを期待して買っているわけではないので、売り方(ショート)がいつ何が起きるかわからないということで神経を使う環境となる。それにしても方向として見えてきたのは、北朝鮮の崩壊ではないかと思う。ミサイルの威嚇発射と核実験ではイベント・レベルに雲泥の差があるわけで、さすがに今回は中国も放置はできないはず。韓国も同じだろう。これから冬に向かうなかで北朝鮮内部で自壊の動きが出るのか、内外に対しさらに強硬姿勢を強めるのか、いずれにしても最終イベントが迫っているのは間違いなかろうから、その面では不確実性が高まっているといえる。ミサイル発射時に比べ相場が続いているのは、そもそも金相場自体が戻りの局面に位置していたということに、こうした要素が加わってのこといえる。繰り返すが、怖いのはdesperate(自棄になる)な行為に走られること。段取りとしては核弾頭搭載可能ミサイルの存在(実験発射?威嚇?)を示した後に、実際の核実験実行という手順を踏んでいるのかも知れぬが、(北側が仕掛けないかぎり)戦闘行為はなくとも、国際世論の高まりの中で文字通り有形無形の兵糧攻めに合い、崩壊という方向に見える。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
原子炉で爆弾遊び・・・ (いつも拝見しております)
2006-10-10 21:00:35
お疲れさまです。



北朝鮮の話ですが、最悪の選択肢としては国土焦土化も想定しています。

あり得ないと今は考えますが、正直現政権はどこまでアメリカを信用しているか心配です。

地理的要因を考えるならば、イラクよりも北朝鮮の方が圧倒的に危険な場所です。

シーア派にイランがついていますね・・・



という訳で、原子炉で爆弾遊びをしているに等しい認識が欠如している点で危険極まりない選択をしているように思えます。

サラエボでオーストリア皇太子暗殺事件が起こったとき誰もその後を考えないように現時点においても奇妙なオポチュニズムに包まれています。

あの時のバルカン半島や今の中東などと比較にならないくらい巨大で強力な危険性がすぐそばにあることなんて誰も気にしていないことを頭の片隅にでも考慮に入れる必要もあるかもしれないと思います。

ドルと元の高値更新は奇妙極まりない動きと見るべきではと思います。

ルーブルの動きがわからないので、もしよろしければ教えていただけば幸いです。
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ちょっと過激すぎましたね (いつも拝見しております)
2006-10-10 21:43:18
あくまで可能性の話ですから、見ている方々真に受けないでくださいね。

話半分以下でいいです。こんな事書いてますが、踊るさんま御殿見て爆笑しながら気楽に書いているんです。
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いやいや ()
2006-10-10 23:45:08
先ほど帰りついてコメント読ませていただきましたが、エライ落差ですね。正直な方ですね。
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おつかれさまでした&北朝鮮 (fairlane)
2006-10-11 01:20:43
中日優勝しましたね。おつかれさまでした。

日本シリーズではウッズvsズレータがみたいですね。



北朝鮮ですが、自分はそう簡単には自壊しないと思います。コントラリアンとして。所詮この核が成功か否かは米しか特定できないですが、テポドンが失敗している以上、米にとっては脅威ではない。外国に流失するかといえば、自爆テロに使えるほどの小型化には成功してない。確かに脅威ではあるが、国連決議でもそれほどの実効性のある決議案は採択されない。

どこの国にとっても困るのは難民問題であり、最後の最後まで北朝鮮の官僚組織を維持させて、政変後の統治を楽にすることを考えるはず。

米国は多方面作戦を展開できない。中国は北朝鮮が自壊したと判断したら一気に人民解放軍を入れるだろうが、単独占領はもちろん許されるものではない。それこそ仁川上陸戦の二の舞でしょう。

Desparateになることは、今までの遅滞戦略を見る限り将軍のあたまに何かしらの病気が発生しない限り考えられない。

この他、米国の選挙大敗情勢を考えると、そう簡単には北朝鮮は崩壊しない。

結局、今までと変わらず、麻薬、偽札ビジネスを中心として外貨を稼ぎ、国内では秘密警察を活用して、今まで以上に国民を締め付ける。



戦争は面白いですよね。松村つとむ(召へんに力)さんが戦争学の必要性を説いてますが、確かにこういう国際情勢になってくると、大学で戦争学科があってもいい気がします。(防大ではなく)

神浦元彰さんが軍事専門家になるためには、結局独学するしかないと書かれてましたがそれは日本のためには不幸だと思います。

「君が平和を欲するなら戦争を理解せよ」リデル・ハートの言葉は重いですね。



飲んでの戯言です。お許しを。自分はお金と人命の浪費である戦争はそう簡単にしてはいけないと思ってます。
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