連邦公開市場委員会(FOMC)を前にしてNY金は基本的には小動き、1700ドル台前半のレンジ相場が続いている。
26日は米小売大手ウォルマートが前日、食料品と燃料の価格上昇を背景に消費者が一般商品を買い控えるようになったことを理由に通年の利益見通しを下方修正し、大きく下落。消費減速への懸念が高まりディスカウント大手ターゲットやアマゾン・ドット・コム、スポーツ用品のナイキ、さらにアメリカン・エキスプレスなど消費関連株に売りが広がりリスクオフ傾向が強まったことがドル買いにつながった。
一方、債券相場は買われ価格は上昇した(利回りは低下)。ここまでの政策金利の大幅引き上げによる経済の減速を意識した買いが長期債に入り、長期金利は一時2.717%と5月下旬以来の低水準を付けた。ただし、終盤には75bp(ベーシスポイント、0.75%)の利上げが予想されるFOMCを前に売り優勢の流れとなり2.806%で終了した。2年債利回りは3.053%で終了しており、長短金利の逆転(逆イールド)現象は続くと同時に金利差も拡大している。26日の3カ月物財務省短期証券は2.507%で終了したが、10年債との利回り格差は徐々に縮小してきている。7月1日時点では118.51bp(1.1851%)だったが、26日は29.9bp(0.299%)となっている。
この日米商務省が発表した6月の新築一戸建て住宅販売件数は年率換算で前月比8.1%減の59万戸と、予想の66万戸を下回った。2020年4月以来の低水準で前年同月比では17.4%減となる。販売価格(中央値)は前年同月比7.4%上昇の40万2400ドル(約5500万円)だが、前月比で9.5%低下となった。前月比の下落幅としては、2014年9月以来の大きさとなる。価格高騰により販売件数も減少する中で、新築住宅価格はピークアウトの兆しを見せている。
さて、日本時間明朝3時にFOMC声明文が発表される。その後3時半にパウエル議長の記者会見がスタートする。今回75bpの引き上げとなると、政策金利は2.25~2.5%となる。もともと「中立金利」といって景気を過熱も冷やしもしない均衡金利を2.5%と捉えて来たFRBだが、早くも7月時点で到達することになる。
FRBのスタンスとしてはインフレ抑制を最優先としており、景気減速はその過程で派生するものとなる。FRBは景気は減速するものの、後退はしないとの立場に立っている。流れとしては現時点では年末までに3.5%近くまで利上げする計画となっている。
大型ハイテク株の決算の方が正直言って気にかかる。