前日と同じような下値を拾うような展開を想定したが14日のNY金は1962.70ドルの安値を見た後の戻りは1970ドル台半ばまでだった。前日までに一服状態となっていた米長期金利に騰勢が復活。午後に入り10年債利回りは、一時2.834%まで上昇し、12日に付けた2018年12月以来の高水準に並んだ。NY連銀のウィリアムズ総裁が、この日メディアのインタビューで5月の連邦公開市場委員会(FOMC)にて0.5%の利上げ実施が「理にかなった選択肢」と発言。バランスシート(保有資産)の縮小に関しても、6月から開始する可能性に言及した。
インフレ抑制を目的とした金融引き締めの前倒しが、米長期金利を押し上げるとの見方が再び強まり、長期債を中心に利回り上昇が目立つことになった。30年債利回りは19年5月3日以来の高水準となる2.928%を付けている。中でもドル指数(DXY)は、短時間で1ポイント以上駆け上がり100.761と2020年4月以来の水準まで上昇し、100.321で終了。金の売りにつながった。長期金利とドル指数を見る分には、連休前のポジション調整の中で6連騰の後で1970ドル台半ばをよく維持したというべきか。本日はGood Fridayの祭日ゆえに週末ということで週足は29.30ドル、1.51%の上昇となった。2週連続の上昇ということになる。
NY連銀のウィリアムズ総裁の発言は、先週のブレイナード理事との口裏合わせということだろう。この辺りは日本は連休中だが、5月のFOMCの決定事項は市場にほぼ織り込ませた形で、ほんの2カ月前には考えにくかったタカ派的内容を決めて着手ということになる。ハト派は駆逐された?かたちだが、それでも昨日は「やり過ぎは望ましくない。労働市場を抑え込むことは避ける必要がある」と発言し、インフレを抑えるために利上げが必要だが、過度な引き締めは望まないとしたのが、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁だった。
その通りと思う。しかし、やり過ぎるのがFRBなのだった。バラマキをやり過ぎた挙句の急激な引き締め、しかも、ここにきて一気果敢にという展開は、株価と住宅市場という資産価格に早晩影響がいまより明確に表れるものと思う。いつの間にか30年固定の住宅ローン金利(平均)は5%で、2011年2月以来、11年2カ月ぶりの水準らしい。当然、住宅ローン申請件数は落ちており、前年比で40%の減少となっている。気が付いた時には、ずいぶん環境は変わっていたんだね、、、ということなんだろう。こうした中で 米株のパターンは戻り売りになっているように見える。
そういえばflag shipのロシアの巡洋艦モスクワが事故での沈没なのか撃沈なのか不明だが、沈んだという話。その後ロシアのミサイル攻撃が首都キーウ近郊を含めウクライナ各所で起きているらしいが、展開としては報復を思わせるものとなっている。どこまで攻撃するのか、できるのか、また耐えられるのかという展開。イラク戦争の際に米国は民間軍事会社を使っていたが、ウクライナにも入っているものと思われる。ロシア巡洋艦沈没にかかわっているのでは、と思った次第。