亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

強さを感じさせた13日のNY金の価格展開

2022年04月14日 22時18分59秒 | 金市場

NY金は4月13日までで5連騰ということになった。

思い起こせば、NY金というかドル建て金の特性としてFRBが利上げに転じるまでに売られ、実際に利上げに着手した後に上昇するというパターンが見られることから、各所(複数の媒体)で3月のFOMC後に金は上昇という内容の原稿を書いた。 このブログでは、FOMC声明文発表(日本時間3月17日午前3時)前の3月16日の夜に「NY金1900ドル台維持で迎えるFOMC」と題して、「ドットチャートの見通しを含め、想定以上のタカ派に傾けば1900ドル割れを試すのだろう。押し目買いということになると思うが、勧めているわけではない。判断は自身にて」と書いた。実際に声明文発表後のNY時間外の取引にて、1895.20ドルと1900ドル割れまで売られたが、その安値は拾われ長くは続かず、そのままこの日の時間外取引は1928.00ドルで終了した。

13日の通常取引終値は前日比8.60ドル高の1984.70ドルとなったが、(ここまでの展開に過ぎぬと言われればその通りだが、)今回もFRBが利上げサイクルに転じた(Lift off)後に、NY金は上昇に転じることになった。昨日の終値1984.70ドルは3月11日以来1カ月ぶりの水準となる。

 

それにしても13日のNY金の価格展開は強さを感じさせた。NY時間外のアジアのスタートから24時間で15ドルほど水準を切り上げるという、値動きとしては地味な展開ながら、買いが継続し下値はしっかり支えられるという流れだった。NYの早朝から終盤に至るまで1975~85ドルのレンジを、主に1980ドル台で推移し、高値圏ゆえに継続的に出る利益確定売りをこなしながらの展開とみられた。そしてFRBが5月以降の金融引き締め方針を半ば公言している中での高値圏にもかかわらず、前日に続きこの日も金ETF(上場投資信託)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールドシェア」には、資金流入が続いた。残高は重量ベースで前日2.61トン、13日は11.32トン増加し1104.42トンとなった。

ウクライナ情勢については、プーチンが12日の記者会見で、ウクライナとの和平交渉は暗礁に乗り上げたとしたうえで、ウクライナにおける「特別軍事作戦」という「崇高な」目的は「当然達成できる」と発言。市場でも長期化を織り込む動きがみられている。

国際エネルギー機関(IEA)は13日発表の月報でロシアからの石油供給量が5月には3月に比べ日量300万バレル減るとの見通しを示した。これを受けこの日の原油相場は上昇。前日に大幅反発で100ドル台を回復した米国産原油WTIは、3.65ドル高の続伸で104.25ドルで終了。高止まりの様相を示している。

ウクライナ情勢については、ロシアによる化学兵器使用の懸念や仮にそうなった場合のNATO(大西洋条約機構)や米国などいわゆる西側の対応を含め、事態が一気に流動化する可能性も捨てきれないと思っている。

ところで、本日14日のNY金の価格展開も前日と似たようなものになっている。自分としては強さを感じる。日本時間の明朝5時までの間にどのような展開となるのか。

ちなみに、復習の意味で興味ある方は3月16日の本文を改めて読んでみてくださいませ。 「NY金1900ドル台維持で迎えるFOMC」

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