昨夜は20時から22時までテレビ東京の臨時スタジオから、会員向け(スポット参加もOK)オンラインのモーサテプレミアム・セミナー出演で未更新に。
3部構成のそれぞれの終了時に2つくらいの質問に答え、最後の30分は投げられた質問をディレクターが選び時間まで答えるというスタイルで2時間のセミナーだった。咳が出ていたので、念のため昼間咳止めを処方してもらい出演(夜だけ止めてくださいと、で見事に止まった)。進行中にドル円が150円切ったり、ライブ感もありこちらも面白かった。
7月最終日31日のNY金価格は続伸した。
前日から開かれている米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文の発表を控え、地政学リスクの高まりと軟化を示した米労働指標(ADP民間雇用)、米長期金利の急低下(3月来の低水準)を背景に買われた。NYコメックスの通常取引は前日比21.10ドル高の2473.00ドルで終了した。
前日にあったNYコメックスの中心になる取引の交代(限月交代)に伴う金利プレミアムが乗った価格ではあるものの、7月17日の2467.80ドルを上抜き過去最高値の更新に。
31日新大統領就任式出席のためイランを訪問していたイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が、イスラエルと見られる攻撃によりテヘランで死亡したと伝わった。ハマスを支援するイランの最高指導者ハメネイ師は報復を宣言し、紛争が中東地域全体に広がるリスクが意識された。前日にもレバノンのシーア派勢力ヒズボラの司令官が殺害されており、中東情勢の緊迫化懸念を背景に安全資産として金が買われた。
午後に入り発表されたFOMC声明文は、政策金利を5.25~5.50%に据え置いた。据え置きは8会合連続となる。
「2%の目標に向けてさらなる一定の進展があった」とインフレ鈍化と失業率上昇に触れて「(雇用最大化と物価安定の)2つの責務の双方に対するリスクに細心の注意を払っている」との文言を盛り込んだ。
ここで6月25日に「NY金は買い 潮目の変化を思わせる発言」として取り上げたまさにその内容が声明文に盛り込まれた。
パウエル議長は記者会見で「例えばインフレ率が急速ないしほぼ予想通りに低下し、成長はまずまず力強く、そして労働市場は現状との整合性が維持されるならば、9月会合で利下げが選択肢になり得ると考えられる」とした。「総じて米経済が利下げが適切になる段階まで近づいていると感じている」とも述べている。
通常取引を2473.00ドルで終え時間外取引に入っていた金は、声明文とパウエル議長の発言に反応し、さらに20ドルほど水準を切り上げることになった。議長の記者会見中に水準を切り上げ、終了後に一時2496.60ドルまで付け、取引時間中のこれまでの最高値を更新し、2493.40ドルで時間外取引を終了した。
なお、日本時間の本日午前に米ニューヨーク・タイムズは、イランの最高指導者ハメネイ師が31日午前に緊急招集された最高国家安全保障会議でイスラエルを直接攻撃するよう命令を出したと伝えた。戦争が拡大し、イスラエルや米国がイランを攻撃する場合にも備え、攻撃と防衛の計画を準備するよう命じたとされる。
この内容に反応した市場は、アジア午前の段階で、NY金は一時2502.80ドルと初めて2500ドルを突破。その後、高値警戒感から上げ幅を削っている。
今夜は、週次の新規失業保険申請件数、明日は今回ばかりはFOMCより注目すべき失業率を含む米7月の雇用統計発表日。結果によりNY時間に再び2500ドル乗せに。結果により上下に反応は大きくなりそうだ。