亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

値動き荒くなる市場、金市場には待機資金も

2022年08月22日 20時52分30秒 | 金市場

先週のNY金は結局19日も続落で5営業日続落となり、前週は1800ドル台に1週間(5営業日)滞留したのを最後に急反落となった。一方で、週初めから強含みに推移したドル指数(DXY)は週末19日には一時108.215まで達し5週間ぶりの高値となった。この水準は同時に2002年10月以来の高値水準でもある。

そして週明けのNY時間外で一時108.475まで買われ、そのままNY金は売られている。急落はしないものの、先週と同じようにジワジワと水準を切り下げる動きは、DXYに反応したファンドのプログラム売りだろう。見切り売り、投げという動きとは異なる展開といえる。ユーロドルが先週末安値の1.0032ドルを下回り、一時1ユーロ=1ドルのパリティ割れの0.9992ドルまで見ているので、NY金にさみだれ的な売りが出るのは、やむなしといったところだ。

ユーロ売りは先週末にドイツの7月の生産者物価指数(PPI)が前年同月比で37.2%と間違いじゃないかと思うほど跳ね上がり、予想されていた。ヨーロッパのインフレの凄さが改めて認識されたところで、前日18日のセントルイス連銀ブラード総裁の高インフレは「ウォール街の多くの人々が考えているよりも、もっと長く続くだろう」をNY市場も再認識することになっていた。 利上げペースの軟化や先行きの利下げ見通しなどは一気に後退し、株は売られたがその流れは、週明け本日のアジア時間から米国株の先物が売られ警戒感は高まっている。

NY金については、DXYの水準からはこれでも踏みとどまっているといえる。1750ドルを維持して反転するようなら、現物を買いたい待機資金があるようなアナリストの話もあったが、ユーロのパリティ割れでそれも消えたということか。それでも下値を拾おうとする動きがあるのは、頭に入れておきたい。1700ドルに接近する局面では買いが入ると思われる。ただし円建ての場合、ドル円相場の上昇が下げを阻む関係で値動きは小さくなりそうだ。それも間隙を抜くような下げがあり7500円台中盤以下などあれば、押し目買いの水準と思われる。

どの市場も値動きが荒いので、その点は注意する必要がある。無理せず余裕をもって。

今週はワイオミング州ジャクソンホールで25~27日にカンザスシティー地区連銀が主催する毎年恒例の経済シンポジウムが開催される。このところFRBはこの会合を利用し、政策方針を示唆してきた経緯がある。26日午前10時(日本時間午後11時)から、パウエルFRB議長 の講演に関心が集まるが、株式市場を中心にすでに先々週までの甘い期待は消え去り、強めの発言を織り込みにかかっている。

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