さて昨日はISM製造業景況指数に注目とした。
5月の指数だが、伝えられたように48.7と、4月の49.2から0.5ポイント低下し3カ月ぶりの低水準となった。 低下は2カ月連続で拡大・縮小の分岐点となる50を下回るのも2カ月連続だった。市場予想は49.5への上昇だった。
先行指標となる新規受注指数が3.7ポイント低下の45.4と2022年6月以来の大幅な落ち込みで、水準も1年ぶりの低水準となった。
経済全般の需要が弱まっていることを示唆するものと受け止められた。
インフレとの関連で注視される価格指数は57.0に低下した。市場予想は58.5だった。4月は60.9と22年6月以来の高水準を付けていた。ただし、57.0はここ2年ほどで2番目に高い水準でもある。
つまり歴史的高金利が長期化する中で需要は落ちてきており、一方で価格指数が表すようにインフレ傾向は高水準が続いているという構図だ。いわゆるスタグフレーションの傾向が出ているということに。利下げに向かう必要が出そうだが、さりとてそうするとインフレの再燃も気になるという状況を表している。
もちろん、他の指標もみて総合判断ということだが、ISM統計は全米を網羅したデータゆえに重要視される。
5日(水)発表の非製造業(サービス業)のデータはどうなるか。4月は49.4と後退を意味する50ポイント割れとなっていたが、予想では50超への復帰が見込まれている。
ISM製造業の結果を受け3日のNY金は23.50ドル高の2369.30ドルで終了したが、本日、アジア時間からNY早朝の時点まで戻り売りに押されている状況にある。本日はJOLTSと呼ばれる雇用動態調査で求人件数の発表となるが、下振れはなさそうなのでNY金は下値を探る展開か。
引けで2350ドルを維持できるか否か。引き続き調整の地合いが続きそうだ。