これほど直前まで盛り上がりに欠ける中間選挙はなかったのではないかという感じだったが、大方の予想通り共和党の勝利で終わることになった。
ねじれ議会の解消となるが、来年早々に到来する連邦債務上限問題をどうするか。対立路線は国民に人気がないのは昨年わかっており、強硬派のポールライアン下院予算委員長も軟化という経緯も見られた。今回、まだ詳しく見ていないが共和党内の保守派(ティーパーティ)がどれだけ議席を獲得したのだろう。
今週はECB理事会だが、ドラギ総裁の理事会運営が秘密主義で合議的ではないと理事会メンバーの各国中銀総裁から不満の声が高まっているとのこと。本日開かれる非公式の晩さん会でこの問題を取り上げるという話があるようで、どうなるか。表には出てこないかな。
昨日はでなかった金市場のロンドン時間での売り攻勢。今日は出た。1150ドル割れまで見ている。以下、今朝の市況。
「落ち着きを取り戻したものの反発鈍く」
11月4日のNY市場の金価格は小幅続落となった。4日の市場は、直近の急落に対してファンドの益出しと見られる買いに反発する局面が見られ、前日比プラス圏に浮上するも持続力弱く5日続落となった。NYコメックスの通常取引は前日比2.10ドル安い1167.70ドルで終了。
これで5日続落となる。10月31日の日銀サプライズに伴ったドルの独歩高に際して記録した安値1160.50ドルを維持したことで、1168ドルを中心にした上下5ドル程度のレンジ相場となった。なお国内価格は、円安を受け大きな変化は見られていない。
市場はBOJ(Bank of Japan、日本銀行)による追加緩和サプライズが尾を引くような形となっている。ドル急伸の余韻の中で、金市場では買い気が盛り上がらず、急落後の目立った自律反発も見られないような状況。6日には欧州中銀(ECB)の政策理事会が開かれる予定で、今回は目立った追加策はなく、むしろ12月の会合にて何らかの対応策が取られるのではと見られている。それでも、もしかすると追加策に踏み切るのではとの思惑が市場に生まれるのはBOJの余波というところか。仮にECBが追加策に踏み切れば、再びユーロ安ドル高の大波が押し寄せ金は売られやすいという予測を市場関係者が持ち、動きが取り難くなっている。もっとも、7日金曜日に米雇用統計の発表を控えることも様子見機運を高めているのは間違いなかろう。
その欧州では4日、欧州委員会がユーロ圏の成長率の予測を発表した。春の予測に比べ軒並み下方修正したのが特徴となっている。新たな予測では14年の成長は0.8%、15年が1.1%、16年が1.7%となっている。現時点で改善を目指して動いていることから、強めの予測となっているが、例えば15年は春には1.7%となっていたものを1.1%に修正した。ちなみにドイツについては15年は2.0%から1.1%としている。果たしてドイツが1.1%で全体も1.1%となるか否か疑問ではある。本日は7日の米雇用統計の前哨戦ともいえるADP民間雇用報告の発表がある。(亀井幸一郎 2014年11月5日記)