トランプ一般教書演説 雑感

今どき36時間経過すると旧聞の類ということか。トランプ大統領による一般教書演説にサプライズはなかった。昨年末に始まり過去最長となった一部政府機関の閉鎖もあって支持率低下が伝えられた大統領にとって、来年の大統領選挙に向け支持率押し上げ効果を狙った演出は不発に終わったようだ。

メディアが伝えるように「協調」を前面に打ち出した。しかし、ここまでの日常の政治手法が分断をあおることで支持層を引き付けるというものだっただけに、共感を呼ぶことはなかった。スピーチの中で今月27、28日にベトナムにて米朝首脳再会談を発表したが、これも事前にその方向性が報じられておりサプライズにはならず。

注目されたメキシコ国境の壁の建設については、実行方向を明言した。これにより、来週15日に切れる暫定予算を巡る話し合いの難航が予想され、再び政府機関の閉鎖に対する懸念が高まった。15日までに、大統領が折れることがあれば、サプライズといことか。米国政治のこう着感は改善されることなく続くことになりそうだ。世論の支持を呼び込むために外交面で目立った動きをする可能性も考えられ、その点で米朝外交にて拙速な成果を求める懸念もある。仮にそうならば、状況によっては日本にとって由々しき事態ということも。

日本を射程に入れる中距離弾核道弾は維持、などということになれば、安保問題で新たな流れが生まれることになる。そうこうしながら、不穏な空気がひろがっていくことになる。

一般教書演説は録画しながら生で見たが、メディアで報じられている以外で書くならば、昨日のラジオNIKKEIの生番組でも話したが、2500億ドルの中国製品への関税を賦課した話で、「いまや国庫は数十億ドルの収入でうるおっている」と自慢げに語る場面があり、ナヌ！？と思ったのだった。さらっと聞けば、それだけ中国側に数十億ドルの負荷をかけていると言いたげなのだが、現実は国庫に数十億ドルもの税金を納めているのは、輸入者であって多くは米国企業だろうということ。言うまでもなく、コストが上がっているわけで、関税賦課で中国製品の価格競争力が落ち他にとって代わるとう話ではない。大丈夫カヨ？！オネガイシマスヨ～～。

後は演壇の前に陣取って拍手をしていた閣僚の中で、1年も残っているひとは
誰だろうとも思ったりした。