亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

“総すくみ状態”からリスクオン

2019年04月02日 16時03分59秒 | 金市場
新たな四半期の初めに発表された経済指標では、やはり欧州と米国で明暗を分けることになった。

IHSマークイットが発表した3月のユーロ圏製造業購買担当者景況指数(PMI)改定値は、47.5と2ヵ月連続で50を下回り、2013年4月以来6年ぶりの低水準に落ち込んだ。2月の49.3からさらに悪化した。

ドイツが悪い。同じ3月のドイツPMI改定値は速報値から下方修正され44.1。2012年7月以来の低水準で、50割れは3ヵ月連続となるもの。調査しているIHSマークイットのコメントは、「新規受注と輸出受注が、リーマンショック後で最大のペースで減少している」としていた。項目別で新規受注は2009年4月以来の大幅な減少となっている。このところの製造業の落ち込みの中で、唯一の明るい話が雇用の伸びだったが、それも今回3年ぶりに減少となっていた。もともと1月のドイツ車の生産は前年同月比で19%も落ちていたので、サプライズというわけではない。

一方、米国の方は注目の3月のISM製造業景況指数。55.3と先月の54.2から上昇となり、市場予想の54.5も上回っていた。ここまでの落ち込みが急だったが、落ちてから底堅いという印象。悪いなりまとまっているというか、他が悪いので光っている。もっとも50を超えているので落ちても拡大は続いている。

いったんは、2月の小売売上高で弱含んだドルだったが(対ユーロ)、ISMの発表後に上昇、米国株式も上昇加速に。米中交渉に対する楽観論も後押し。バランスシート縮小(QT中止)方針は、株を支える。

1週間前には、米長短金利の逆転現象から米景気の後退観測が高まり、1320ドル近辺まで買われていた金だが、市場セントメントの振れの中で押し戻された。先週は買い戻したファンドが、改めてショートを積んでいるイメージ。来週は(船頭多くして)“船が山に上っている”迷走状態のBREXIT。




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