日本が3連休となったこの週末を挟み、海外金市場は利益確定の売りが優勢で続落で1250ドル割れで戻ってきた。相場の印象としては、FOMCでの利上げ見通しの下方修正を受けて前週の雇用統計後の高値を抜いて年初来高値に躍り出たものの後が続かず、さすがにかなり買い付いたであろうから内部要因的にも重くなったというところか。ところが売りが出るものの深押しに至らないのは、現物由来の金ETF(上場投信)への資金流入が続いていることがある。
ちょうど1ヵ月前の2月22日に1日で19トン強の増加を見た最大銘柄「SPDRゴールド・シェア」については、ここでも取り上げた。あの後も資金流入は続いており、3月21日つまり昨日時点で残高は821.66トンとなった。昨年末が642.37トンだったので179.29トンの増加となる。2月は1ヵ月で108.04トンと2010年5月の108.93トン以来の規模の増加で当時は前月にギリシャ問題が危機に転じた時だった。しかし、表面的には当時ほどのことは足元で起きていないにも関わらずこの増加。
そろそろ頭打ちかと思いきや、3月に入って以降も2月程のペースではないものの増加を続けており。FOMC以降は3営業日連続で合計26.46トンの増加。この銘柄だけで年始から円ベースで重量時価換算で8100億円ほど流入している状況。
ETFは現物保有に等しく、目先の利益狙いならば一般的には先物市場でレバレッジを利かせた取引をするとみられる。当初は欧州系の資金が中心と見られたが、幅が広がっている様子。