昨夜のNYコメックスの先物価格は前日比21.30ドル安の1416.40ドルでフロア取引を終了。急反落になった背景としてメディアは、中東アルジャジーラがベネズエラのチャベス大統領がリビア情勢の収拾に向け欧州を含む多国間調停を申し入れ、カダフィ政権がこれを受け入れ方向と報じたことがきっかけとしていた。原油が下落、それに連れて金が下がったと。
その他、日本時間今夜の雇用統計の発表を控え前日のADPのデータに加え、失業保険の新規申請件数が36万8000件と予想を(比較的)大きく下回ったこともあった。要はこの数日の上げに対する“益出しの口実”が欲しかったというイメージだ。取りあえず新値を抜いたので、利喰っておきましょうと。流れの中での自律的な反落という感じ。いい押し目になったのではないか・・・・と。
原油にしてもたいして下がったわけでなく、何度も同じことを書くが北アフリカ・中東情勢もこの地域での政治的枠組みの変化というマグマが蠢く中での表層で起きている現象につき、マグマの動きが鎮静化しないのだから、こちらも終わるまい。
ECBの利上げ方向の動きが本日の国内メディアでも取り上げられていたが、そういわれれば線週だったか、好調ドイツのなかで労組が賃上げ要求のストをやるとの話を思い出した。ECBが嫌がるのは原油の値上がりよりも、この賃上げの動きがそこに重なることだろう。コアの指数を押し上げる。さて雇用者数の増加を織り込んで上げたNY株だが、今夜の結果はどうなるか。みな民間部門の雇用増の結果を見ているが、政府部門の雇用がどうなるかも当方は関心あり。なんせ州政府、地方自治体は財政難だから。バーナンキ議長は2日目の証言で、公共(muni)債については若干改善と話したみたいだけどね。