亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米長期金利約2カ月ぶり水準に低下、NY金は反発

2024年06月06日 20時07分42秒 | 金市場

5日のNY市場のポイントは米国債相場が年限問わず続伸したことだった。つまり利回りは低下。

 

指標となる10年債は、この日発表の企業向け給与計算サービスADPの5月の米民間雇用者数が15万2000人増と、伸びが1月以降で最も低くなったことを受け、一時4.277%まで低下し4.280%で終了した。3月28日以来約2カ月ぶりの低水準となる。

10年債利回りはわずか5営業日で4.6%台から4.2%台に急落したが、この間に発表された米経済指標が総じて減速傾向を示したことで、9月を手始めに年内2回の利下げ見通しが復活したことによる。

金利先物の値動きから政策金利を読む「フェドウオッチ」によると年内2回の利下げ予想は5日夕刻時点で70%近くまで上昇。1週間前は約35%となっていた。

金利低下を好感し、この日の米主要株式指標は軒並み上昇し、S&P500種平均株価は5月21日以来の最高値更新となった。ナスダック総合も5月28日以来の最高値を付けた。

 

NY金は、さすがに教科書通り反発した。

前日は米長期金利連続低下の中で節目の2350割れに売り込まれていた。前日比28.10ドル高の2375.50ドルで終了。通常取引終了前に一時2377.60ドルまで買われ、これがこの日の高値となった。5月の(目立った背景のなかった)急騰劇の後にしては、値を保っている印象ではある。

このまま7日の雇用統計待ちになりそうな雲行きといえる。

 

なお、金の国際的広報調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)公表したところでは、4月の世界の中銀による金の純購入量は33トンとなった。中国人民銀行は4月まで18カ月連続で金準備を増やしたが、購入ペースが大幅に減速しており、2トン未満にとどまっている。

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