週明け3月4日のNY金は3営業日続伸となった。前週末比30.60ドル高の2126.30ドルで終了。終値ベースでの最高値の更新が続いた。
この日の高値は2128.40ドルで昨年12月4日のNY時間外のアジア時間に付けた取引時間中の最高値2152.30ドルに約20ドルのところまで接近した。
昨日は、4日の米国は主要な経済指標の発表もなく、FRB高官の発言のみで手掛かり材料になりそうになく、目立った動きはなさそうだと書いたが、何のことはない上値追いとなった。もっとも、地合いの強さは指摘したが戻り売りをこなしたということに。2100ドル超でテクニカル主導のCTA(商品投資顧問と日本語に訳されるが目先筋、トレンドフォロアー)と思われる買いで水準を切り上げた。つまり上昇のパターンとしてはショートカバー(空売りの買戻し)というより新規買い(フレッシュ・ロング)の印象となる。
いうなればイベントレス型上昇だが、上昇の理由が欲しい向きは、米地銀持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の経営問題が深刻化していることを挙げている。
確かに2023年第4・四半期の赤字を27億ドルと1月末に発表した時の10倍に膨らんだことが判明し、報じられているように格付け会社2社が同行を格下げ。危うくなっているのは確かではある。もともと商業用不動産ローン、中でもオフィス向けの不良債権化が危惧されており、このところ米国外でも問題が噴出し始めているのは確かだが、局所的なものとして処理されている。地下でうごめいているので、何があってもという感じではある。
それにしても4日のNY金の上げは、きれいに通常取引開始後から始まり、2100ドルを簡単に突破すると、そのまま買い先行で水準を切り上げながら相場は進行し2120ドル台に達した。2120ドルを超えたのはNY午前11時過ぎで、その後は切り上げた水準を維持し横ばいで取引を終了した。30ドル程度に過ぎないが、売り物を消化し切り上げた水準を維持して終了。
5日の展開は少し早くロンドン時間から水準を切り上げている。 本日はNY通常取引開始後にISMサービス業景況感指数の発表が控える。つまり手掛かり材料がある。