さて本日は注目の米8月のCPI(消費者物価指数)だが、総合指数は前年比3.6%と7月の3.2%から加速が予想されている。一方で、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%と前月と変わらず、前年比では4.3%と4.7%から鈍化が予想されている。
このところインフレは鈍化傾向をデータは示しているが、本日分に関しては上振れを警戒する見方も多いようだ。これもこのところの原油の上昇が影を落としているとみられる。
昨日12日のNY金は、先週来狭いレンジの取引が続いて来たので、前日比12.10ドル安は感覚的には下げたなぁ、という印象となる。終値(清算値)の1935.10ドルは8月22日以来3週間ぶりの安値ではある。
12日は主要な米経済指標の発表のない中で、翌日に控える8月米CPIを前に、思惑先行の動きでドルが主要通貨に対し上昇し、金市場は売りが先行した。 前週から原油価格の上昇が続いており、インフレを下支える要因として注目が高まり、FRBによる引き締め策の長期化観測につながっている。
12日の米国産原油WTI(10月物)の価格は、一時89.37ドルと昨年11月中旬以来の高値を付けた。足元ではサウジアラビアが自主減産を12月まで延長すると表明し、産油国は供給を減らす姿勢を強めており、需要が供給を上回るとの見方が強まっている。石油輸出国機構(OPEC)が12日に公表した月報では、高インフレや金融引き締めなどの影響を受けながらも世界の経済成長は底堅いとして、今年の需要は前年比2%増えるとした。主要消費国中国の動向がカギを握るがOPECは中国需要の見通しを8月時点から引き上げている。需給逼迫を見込んだ買いが原油価格を押し上げている。
この日の米10年債利回りは一時4.3%台に乗ったものの、引けでは若干低下した。この日の午後に米財務省が実施した350億ドル規模の10年債入札は、落札利回りが市場の実勢を下回り、投資家需要の強さを示したと受け止められた。米政府による国債増発による需給悪化からの利回り上昇(悪い金利上昇)懸念は和らいだ。10年債利回りは前日より低い4.286%で終了。
一方、ドル指数(DXY)は前日の下げから小幅に回復。前日には植田日銀総裁の発言を受け、7月中旬以降で最大の上げ幅を記録していた日本円が下落。1ドル=147.00~10円で終了した。CPIの発表を控える中で、原油の上昇が米長期金利を押し上げ日米金利差を拡大させるとの見方から、円が売り直されたとされる。介入への警戒も早くも解除か。。。 ユーロドルは14日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控え上昇した。金利据え置きか、0.25%の利上げかで見方が分かれているものの、原油高でユーロ圏のインフレ沈静化が遅れるとの見方がユーロを支えている。
ドル指数は前日比0.14%上昇の104.711で終了したが、終値ベースで見て7月13日の直近安値99.77からは約5%の上昇となっている。
その割にはNY金は下げていない。
さて1時間後にCPIの発表がある。阪神タイガースは本日も楽勝ムード。