亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

北朝鮮情勢は金価格を見る上での変数

2017年09月27日 22時41分11秒 | 金市場

幽霊の正体見たり枯れ尾花。尾花とはススキのことだが、きょう北朝鮮関連のニュースを見て高校時代だかに記憶したこの句を思い出した。先週末に米軍が北朝鮮の東部沿岸に戦略爆撃機を飛ばしたというニュースがあり、それに対する北朝鮮外相の発言が週明けのNYで金の上昇をもたらした。

目についたのは広く報じられているように、その事実を北朝鮮が探知していなかったというもの。こうした環境下ではあるが、その報道を信じるとして、ならばこの争いは勝負あったということになる。

もともと米朝間には圧倒的な戦力格差があるのは言うまでもない。それでも交戦となった際に、米韓それに日も、すべてに対応できわけではないとの前提があった。相応の人的なものを含む被害があると。早い話が、そうでもないのではないか・・・・初期段階で叩けるのではないかとの憶測が生まれる。そうなると、その事実自体が抑止力となる。戦争は無駄だと。もちろん、そんな理屈どおりに事は進むとは限らないだろう。しかし「枯れ尾花」ならば、北朝鮮の北米局長の急なプーチン詣でも、亡命受け入れ態勢の確認なのかと思ってしまうほどだ。確率は低いが。

こうなると金市場に存在した一定の地政学的プレミアムは剥がれることになる。これで買い残整理が進んだ方がいいということだが。金の下押し圧力が高まることになる。

本日は、時事通信社のレポートに、「地政学要因に分類される北朝鮮情勢は、事態の深刻度合によって材料性が変わることもあり、金価格を見るにあたっての“変数”と表現できる材料といえる。脇役的な材料ではあるものの、時に存在感を増す局面があるのが特徴で、仮に大きく上昇しても水準を長く維持できず値動きが荒くなる例が多いといえる」と書いた。こういうスタンスで捉えている。


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