難航していたギリシャの次の首相が決まったようだ。候補として名が挙がっていた一人、パパデモス前ECB副総裁とのこと。中立的という立場と、ECB内にいたことから、現在のような状況のおり適任ということだろう。ただし、政策的には国民に不人気なものを進めていくということに変りはなし。言うまでもなくベルルスコーニ後のイタリアも同じ。ギリシャの場合、このまま来年2月には選挙という日程を組んでいるが、まずは先般の緊縮案を承認して宙ぶらりん状態の80億ユーロの融資を受けることが第一義となる。
ギリシャというと11月4日のここに、EU(欧州連合)からの自発的な離脱はできても、ユーロから離脱の(除名も)規定はないと書いた。そもそもそうしたことを想定していない不可逆的な制度としたが、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の中で、来週開催予定の年次党大会で離脱を認める規定を発議し採択しようとの動きがあるとのこと。ユーロからは抜けるが、EUには留まることができるというもの。政府案にするには、いくつかの手順を踏む必要があるので、まだ何とも言えないが、鉄の結束(?)から離脱もアリという現実対応という流れが生まれるのだろうか。EUはそのままでユーロ圏は再編もありということになる。
ところで本日はイタリアの1年債の入札が行われたが、金利は6.08%と前回10月11日の条件3.57%から跳ね上がった。応札倍率は1.98倍で予定額50億ユーロは調達したが、この金利水準では持続不可能。来週の14日月曜日には5年債(30億ユーロ)の入札が予定されているが、この条件も市場の関心事。
最後に話題は変るが、金市場の内部要因がらみの話をひとつ。香港政府の発表では中国の9月の香港経由の金輸入が56.9トンと前年同月の6倍の規模となった。9月の急落時に急増したというわけ。7-9月期では140トンにもなっていた。香港経由の金輸入は、全体の動きをみる尺度という捉え方ができる。全体で見ても昨年比で大きく増えていることは間違いなかろう。
ここから急落でしょうか。