亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

BOJには逆らうな(ドル建ての下げを緩和した本日の円安)

2013年04月04日 23時58分02秒 | 金市場
さて新総裁の下での日銀の最初の金融政策決定会合。結果発表の前と後でドル円が一気に居所を変えたが、それに呼応する形で国内の金価格も大変動の一日となった。発表された日銀の政策についてはメディアに詳しいので割愛。本日のTOCOM(東京商品取引所)の金価格は、一昨日からドル建て金の値動きが大きくなっているところに加え、さらにドル円の動きが金の値動きを加速した。

本日の午前は日銀の政策会合の発表を待たず朝から為替は材料出尽くしムードが漂い、ドル円は92円の円高方向に振れていた。足元のドル建て価格の水準からは1円のドル円の変動は金1㌘、54円の変動をもたらす。前日のNYで1550ドル割れも見た関係で、取引開始後の金価格は前日比100円以上安い4621円まで売り込まれることに。日銀の発表が伝えられた1時40分頃を境に、為替の動きに沿って金の国内価格の上昇が始まり3700円に回復、しばし揉み合いの内にも下値を切り上げる展開。3時半に取引が終了した時は逆に前日比49円高の4773円で終了ということに。ドル円は午前9時半には92.74円。それがTOCOMの取引が終わる午後3時半の時点では95.35円となっていた。この間のドル円の値幅は2.61円。したがって為替要因だけで国内金価格は140円ほど押し上げられた形だが、TOCOMの高値と安値の差が155円になったので、まさに円安を映した上昇だった。

興味深かったのは、前日の地合いを受けてアジアの時間帯で前日比14~5ドル安の1541ドル台まで売られていた金が、日銀の発表後はジワジワと値を戻し、夕刻には1550ドル台を回復したこと。日銀による大型緩和策の導入は、さすがに金の国際価格にも影響を与えることになった。

それにしても、最初の政策発表に、“最終戦争”という色合いが漂うほどの、ここまできたら進むしかない状態。


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