亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

落ちている中国の金需要  (記者会見なしのFOMCではあるが・・・)

2015年07月29日 17時05分13秒 | 金市場

まず金の話から。添付の昨日の時間チャートをご覧いただいて(赤の線)お分かりのように特記事項ナシの相場展開。しかし、昨夜はタイミング良くGFMSが四半期データ(4-6月期)を公表。総需要で中国は減り、インドは若干増加。公的部門も45トンと低調だった。この中では公的部門の数字はやや意外性あり。まだざっと目を通しただけゆえ概略は以下のような感じ。

足元金需要は減っている。
4-6月期の現物需要は前年同期比で14%減少858トンとなった。
宝飾品は9%減の444トン、地金・金貨は12%減の238トンとしている。

4-6月期は、足元で話題の中国の株式市場が急騰に次ぐ急騰状態となっていたタイミング。中国国内での関心は株式市場に向けられ金への関心が薄れということで、中国の金需要は低下となったのが特徴。この間の宝飾品需要は101トンと前年同期比で23%の減少。地金・金貨は35トンと26%の減少。

ちなみにインドは宝飾品が158トンで2%の増加、地金・金貨が49.5トンでほぼ変わらずとなっている。この2項目合算の比較で1-3月期は、インドより中国の方が多かったが4-6月期は逆転ということになった。中国とインドを上半期(1-6月)の総需要で比較すると、中国が394トン、インドは392トンで並んだかたち。

さて、FOMC。7月は議長の記者会見はなし。つまり声明文のみ公表につき、また文言の解釈を巡って市場の反応も割れる可能性が出てくる。・・・したがって、混乱を避けるためにもここまでの内容と大差ないものとしておくのでは、つまり波風の立つようなものにしないというのが、市場の大勢的な見方となっている。

ただし、私は先般の議会証言から、イエレン議長のスタンスがやや変わったと思っているのだが、9月に上げたいのであれば何らかの示唆的な内容を含む可能性もありそうだ。中国をはじめ、ここにきてブラジルが怪しくなっており、基軸通貨国の政策転換についてこられない可能性もあるので、これからの利上げの判断は微妙なさじ加減を要するもの。。。。それにしても、「利上げ」というより「金融の正常化」に進みたいイエレンFRBだが、かかろうとすると阻害要因が出てくる。番外編としては、ドル建て債務がこのところ急増した中国への牽制の意味合いから、利上げ賛成というのがネオコン(新保守派)の論調らしい。

いずれにしても「長期政権の後を受けた議長の時代は荒れる」というアノマリーは生きているのだろう。声明文の発表は、日本時間明朝午前3時。




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