週初から材料となったサンフランシスコ連銀のエコノミストの手によるレポート(投資家がFRBによる利上げペースを過小評価している可能性があるという内容)。この内容をテコにする形でドルが独歩高になっているのは、英国ではスコットランドの独立問題、量的緩和策に向かうと見られる欧州中銀(ECB)の政策スタンス、ここにきて年内の追加緩和の可能性が出ている日銀など、締めにかかるFRBとは逆方向の流れが鮮明になったことが、ドルの存在を際立たせていることがある。
為替市場と言えば、ボラティリティの低下が指摘されてきた上半期の市場の中で、動かない市場の最右翼の存在だった。膠着状態が長引けば長引くほどに、次簿動きは大きくなるというのは、経験則の教えるところだが、起きてみれば、やっぱりそうですよね・・・・という感じだ。
レイバーデー明けでスタートした相場が、今なお調整なく続いている。
もうひとつ、このレポートが効いているのが金市場。市場は来週16、17日の日程で開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)での、これまでよりもタカ派に傾いた声明文の発表を予想しており、金市場ではそれを先取りするような断続的な売り物が出されている。下げの途中で見られる自律的な反発は、すべて益出しのショートカバーと見られ、それゆえ力強さはない。
今回のサンフランシスコ連銀のレポートは、うがった見方をするならば、来週のFOMCにて声明文の文言をややタカ派的なものに変えるにあたり、市場に与える影響(ショック)をabsorb(
吸収)して和らげようとの配慮があるのかもしれない。
結果的に起きるユーロの急落は、ユーロ圏の救済にも効果あり。足元の円の急落を日銀も、歓迎ということなのだろう。
相場も、動きだせば極端というのは、最近の気象のようでもある。
It never rain but it pours.