亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金は利益確定の売りに押されている

2020年06月26日 18時28分33秒 | トピック
やはりというか米国での新型コロナ感染が再拡大し始めている。内外で懸念されていたことで、センシティブな問題でもあるのでメディアも強調しないが、黒人差別抗議デモ(Black Lives Matter)が全米(のみならず世界的にも)広がった際に、新型コロナ感染も広がるのではと懸念されていた。もちろん、感染拡大の大きな背景は、十分な予防措置や意識が薄い中で経済封鎖の解除を急いだことにある。

NY,ニュージャージー、コネチカットの東部3州の知事が、米国内の新型コロナ感染状況が一定の基準を超えた州からの訪問者に14日間の自主隔離を要請。テキサス州は活動規制策の段階的な緩和を停止すると発表した。さらに先行してアリゾナ、サウスカロライナ、ノースカロライナの11店舗の休業を発表していたアップルは、26日からフロリダ州の14店舗を再度休業にすると発表したりと、どの程度経済活動の抑制につながるかが、当面のポイントになる。

明るいニュースに目を向けることに専念しているように見える株式市場は、時に乱高下状態にはなるものの、一定の価格帯を維持している。

株価というと25日は、国際通貨基金(IMF)の金融資本市場局トップ2名が共同で作成した報告書が話題に。金融市場と経済見通しとの間の「乖離」が発生していると指摘。現在の想定よりも景気後退が深刻で長期にわたったり、新型コロナ感染拡大第2波が発生し活動規制策の再導入などがあれば、「今年これまでに見られたような投資資金の大規模な流出が再び発生する可能性がある」としている。危機は想定よりも長期化し、深刻化する恐れがあるとした。

この辺りは、パウエルFRB議長なども、同じような危機意識をもって臨んでいると思われる。
一応、FRBは緊急対応を終えて落ち着いた状況にある。安全策として政府に対し、赤字国債を気にせず発行し、さらなる財政出動を促す方針に転じている。昨年まで、「現状の財政赤字の拡大は維持不可能」などと警告を発していたにも関わらず・・・。いまやFRBをして、方針を変えさせるほど環境は大きく変わった。足元の感染拡大が加速し株価が急落し、またレスキュー隊を仕立てるなどということは、絶対にしたくないだろう。しかし、マーケットはそんな意向は汲み取ってくれない。どうなるか。

先週の新規失業保険申請件数は148万件となった。修正された前週の154万件からは減っているものの、歴史的な視点からはかなりの高水準が続いており市場予想(130万件)も上回った。今月ここまで発表された経済指標は、リバウンドが目立ったが、相場に例えるならば急落後の自律反発ということで、歴史的な落ち込みだっただけに初期の戻りも目立っているに過ぎないと思う。問題はここから。回復が勢いよく続くのかというと、そうはいくまい。回復は続く、しかしペースは落ちるという展開か。来月に入ると米国も決算発表期に入るが、先食いした株式市場は押し目を作りそうだが。

金市場は、利益確定の売りが出ている。目立った変化なし。

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