エルニーニョからラニーニャ

ほぼ定石どおりの急騰後の利益確定売りと高値警戒感の高まりのなかでもＮＹ金はしっかりとした展開。678まで売り込まれた後に引けに683ドル。スポット価格（現物）も678近辺で推移。受けた東京（東京工業品取引所）は週末ということもあり、利益確定の手仕舞い売りが先行する展開。現在ロンドンの時間帯に移っているが、スポットは676～677ドル程度で推移。先物の夜間取引（ＮＹアクセス）は680ドルを保っている。今朝驚いたのはＮＹ上場のＥＴＦ「ＧＬＤ」がまた残を増やしていたこと。22日は6.16トン、前日21日が4.01トンだったので2日間で10.17トンの増加。さすがに昨年の1月に見られた1日で19トンなどというペースではないが、当時と値位置が100ドル以上違うことを考えると結構なマグニチュードといえる。今夜の週末バージョン（？）のＮＹで買い上げられたら来週の東京は痺れを切らして付いていくのだろうか。で、そのまま走って来週末の米雇用統計でピリオド。そこまで持つかね？ＮＹは中東情勢が不透明につき週末でもロングの維持ということなんだろうか。

ところで前に書いたが、昨年秋以降コーンや大豆など穀物も関心をもって見ているが、今週、すごい勢いで上値を切ってきた。材料のひとつが足元では暖冬をもたらしているとされるエルニーニョ現象だが、この春以降はペルー沖の海水温が逆に平均より0.5度以上低くなるラニーニャ現象が見込まれると米国の気象予報会社が発表したことだという。そうなると米中西部などの穀倉地帯は高温少雨（乾燥）で不作になるんだと。それでなくともエタノール向け需要でコーンなど在庫が減っているらしいから、価格の上昇が見込めるという、風が吹けば桶屋が的連想が働いている。それにしても、いつも思うんだが一雨降れば急落などという世界も金市場を見ている身には刺激的ではあるけど、大変だねぇ。エルニーニョからラニーニャなのだ。それで思い出した！！昨年末のとある忘年パーティで今年の米中西部や南米は旱魃（かんばつ）で穀物相場が上がると“相場アストロジー（？）”に出てるんだと酔眼で語ってくれる人がいて、当方も妙に納得して聞いたっけ・・・・・。。さて、どーなるのでしょーか。

余談だけれど、人間の思い込みというのは怖いもので最近まで「ラニーニャ」を「ラニャーニャ」と思い込んでいた。穀物を語るような仕事でなくてよかったよ。。