上値は重いもののドル指数(DXY)が引き続き20年ぶりの高値水準で滞留している。24日もいったんは109.112と直近の戻り高値更新をうかがう動きとなったが、前日同様にその後失速する形でマイナス圏に沈んだ。しかし、終盤に買い戻され前日の終わり値に収れんということに。ユーロドルが引き続き1ユーロ=1ドルのパリティ割れとなっており、この日の終値は1ユーロ=0.9970ドルだった。ドル円相場も137.11円とドル高水準を維持しており、この2つの通貨の弱さがDXYを支える状況が続いている。
その中でNY金の下げに歯止めがかかったのは、1750ドル前後の水準で買い意向が強いことの現れと思う。このまま1800ドルにどこまで接近できるかが注目される。
24日は米10年債利回りが一時3.124%と2カ月ぶりの水準まで上昇し3.108%で終了。週明け早々に欧州(オランダ)の天然ガス価格が急騰した流れで、米国の天然ガス価格が23日に14年ぶりの高値を付けており、エネルギー価格の高止まりへの懸念が債券売りにつながったとされる。 インフレ加速が懸念されている欧州では先週来国債利回りの上昇(価格の下落)が続き、それが米国債にも波及する流れとなっている。天然ガスの上昇というと、やはり冬場がどうなるかが問題で、それが現時点で動きが出るとなると冬は・・・・ということで、長期金利が上がっても金は買いやすいということだろう。DXY高止まりでもNY金が動き出しているのは同じ理由と思う。
本日から3日間の日程でカンザスシティー地区連銀主催の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が米西部ワイオミング州で開かれる。「経済と政策への制約の再評価」が今年のテーマとなっている。26日のパウエル議長の講演が話題だが、市場が喜ぶような話にはならないのではと思われる。
利上げ加速の影響による景気悪化を受けてFRBが23年早々に利下げ転換を迫られるというシナリオをこの夏に市場は織り込みにかかり、株のサマーラリーにつながった。その後、この利下げ観測に修正を迫るFRB高官の発言が相次いだが、FRBのスタンスはインフレ鎮静化の確証が得られるまでは手を緩めないということなので、パウエル発言もそれに沿ったものになりそうだ。