さて本日のNY市場は休み。したがって主導権を握ったような値動きは起きにくいが、織り込み済みとは言われるものの、週明けの市場では報道されているようにユーロは売られた。今回の“集団格下げ”が市場全体に及ぼす影響、とりわけユーロ圏危機救済スキームの資金面への影響が読めないことから、週明けの反応としてとりあえずユーロ売りというのは当然だろう。本日のフランス短期債の入札はほぼ問題なく終わるのだろう。今週はこの他にもスペイン、ベルギー、ギリシャ、ドイツとはやり短期債を中心に入札が続く。“短い”ものについては、年末にECBが貸し出した3年物1%の融資が効いていて、何とかなりそうだ。これとてその効能を評価する声がある一方でECBによる実質的な量的緩和策という指摘と、事と次第ではECBの信認の失墜につながるという捉え方もある。このあたりは金市場では、今年も新興国中銀の金購入が続くということになりそうだ。
問題は週末金曜日に一時棚上げとなったギリシャの民間保有分の“自発的”減額乗り換え交渉のほうだ。
元本から50%の減免を飲むことで、目論見としてはギリシャの債務を1000億ユーロ減らす話し合いが、5割減じた上で乗り換える新規国債の条件(クーポンレート=利率)で折り合いが着かず、仕切り直しになったと。週末に書いたように、集団格下げよりもむしろこちらを懸念する声が高い。要は、すでに緊縮策で景気の落ち込んだギリシャには借金の返済は無理で、債務免除が必要で、そうしようとしているのだが、民間負担が減れば公的負担が増えるので、その綱引きをやっているという状況といえる。
そもそも昨年10月に当初民間は20~30%のカットを考えたが半ば強引に50%を飲まされた経緯がある。一部で伝えられているところでは、新たな条件に民間は4~5%を要求しているが、ドイツなどユーロ圏諸国とIMFはそれをかなり下回る条件を提示しているとされる。これとて決めようとしているのは、2次支援の1300億ユーロだが、借金返済のために追加で貸そう(これを「追い貸し」という)という話し合いをしているわけで、ここまで引っ張ってきて、さらに助ける方の状況も悪化してきて・・・・・というのが今回の格下げというのが現状なので、・・・・・推して知るべしということ。
時間の経過とともに、深刻度は増して大きなコストが必要になっている。
金については11年も上がった相場は上げ過ぎとか、チャートの形がよろしくないとか、そういう平時で有効と思われる分析の次元を超えた環境ゆえに相場の方も「理外の理」と捉えるべきではないか。
なら高島暦のほうがまだ信頼おけるような
ギリシャはまだ纏まりませんか。CDSはどうなるんでしょう。各国この方式でCDSデフォルトにしないとなれば、安泰とでも思っているのでしょうか。
(普通に見て裸なのに)王様は裸と言えない事情と、CDSイベントにしたくない事情に相通じるものがありますね。