亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドイツは「金」を使わない

2011年11月07日 17時11分28秒 | 金市場

前週は週初の為替介入から始まりFOMC、ECB理事会にG20サミット、その間のギリシャをめぐるゴタゴタ劇に米雇用統計とイベント続きの週となった。ギリシャは本日午前段階で連立内閣発足に向けて与野党が合意しパパンドレウ首相は辞任し、次期首相を巡り協議中とされる。EUおよびユーロ圏首脳会合で合意した「包括戦略」の決定事項を実行に移した上で、総選挙の方向とされる。同国財務省の発表では、来年2月19日を投票日にとのことだがもちろん流動的。IMFなどの支援融資の実行予定などを勘案してはじいた日程のようだ。

 

次期首相の人事での協議も続いた。中立的ということで、パパデモス前ECB(欧州中央銀行)副総裁の名前が挙がっているが、もちろん未定。まずは政局の安定が第一段階で、その上でプランの実行が問われることになるが、ギリシャ自体の返済能力を如何に上げるかがポイントだが、これは難しい。「削減」と国有資産の売却(あるいは民営化)というデフレ政策をとりながら成長も維持し返済するには、助けが必要だが世界景気の先行きはむしろ減速から後退もありかという状況。結局、さらなる債務の減免ということだが、その前にたとえば他国に比べまだまだギリシャの徴税能力を上げることが可能だろうという「改善の余地あり」というのが周りの判断。先日も書いたが、どれだけの銀行が債務減免に応じるかというのも問題。同様のことが起きてはマズイと、イタリア国債を売る動きも足元で目立っているようだ。

 

さて一連のユーロ圏の騒動の中で、やはり出たかという話題が、各国中銀が保有する金を使えばという類の話。関連ニュースが伝えられたのがドイツ。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)への出資金拡大について外貨準備や保有する金を使う案がG20で論じられたというもの。フランクフルター・アルゲマイネが報じたとのことだが、これに対し同国政府報道官は「ドイツ連銀が管理する金・外貨準備は、カンヌで開かれたG20首脳会議でいかなる議論の対象にもなっていない」と否定というニュース。"We know about this plan and we reject it. (計画は知っているが、反対だ)" . と述べたのが、政府報道官という報道もあれば、ドイツ連銀の報道官という他のニュースもあり、オヤオヤ・・・という感じ。そのうち、イタリアの債務危機を巡って、同国中銀が保有する2451トンもの金を使うという“憶測”が流れても不思議はなかろうと思ってきたが、ドイツねぇ。。。ドイツはないでしょ・・。金を一番手放しそうにない中央銀行といえる。価格の下げを狙ったデマの類か、そうした方向性を探る誰かが背後にいる観測記事か・・・な。本日は、ユーロ圏財務相会合が開かれる。それを受けて明日はEU財務相会合。意思統一を図るための会合が続くが、それ自体が不安心理からの市場の反乱を抑えるに効果ありか?ちなみにWGCのデータでは、急騰した8月の公的購入はネットで20.9トンとなっている。


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2 コメント

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Unknown (fairlane)
2011-11-08 15:16:46
中国が資金の出し手になる場合は、各国保有の金を担保として差し出すように求めることは十分にありそうですね。
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金を担保 ()
2011-11-08 23:06:32
ハハハなるほど。
返信する

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