昨日、初のマイナス利回り入りとなった10年国債。黒田総裁の発言内容からは、この先も必要と認めればマイナス幅の拡大も辞さずということなので、10年債の利回り低下(マイナス幅拡大)も続く可能性が高いとみられる。
金融機関としては現時点ではマイナス0.1%未満であれば、国債を買ったほうが日銀に預けるより損失は少ないばかりか、国債は日銀の買取り対象ゆえに高く売ればむしろ利益のチャンスありということになる。したがってマイナス利回りでも買い手に回る金融機関がいるわけだ。
しかし問題は買い取る方の日銀。いまはいいのだが、買い取った国債は売れないので(日銀が売ると相場を崩し金利は急騰する)長く保持するしかない。量的緩和策の終了など、何かのはずみに1%程度でも金利が上昇(債券価格が下落)すると、日銀持ち分の国債の中で多くが評価損を抱えることになりそうだ。自ら作り出しているバブルと、その崩壊の影響が現れるのが他ならぬ日銀ということになる。いまは持ち分が増えすぎて、大きくて巻き戻せない(売れない)状態に日々向かっている状況ともいえる。気が付けば出口は遥か彼方・・・ということに。恐ろしい。
本日はイエレンFRB議長の議会証言初日。日本時間の午後10時半から見通しなどの説明の予定で現在そのスピーチ原稿の内容が伝えられているところだ。その後11日 0時から議員との質疑応答の予定となっている。この質疑応答でFRBのマイナス金利につての見解が話題に上るのではと予想されている。
私は将来的にもFRBはマイナス金利の導入はしないものと思っている。基軸通貨がマイナス金利の導入に追い込まれる状況は、それこそ金は買いが集まり高騰ということだろう。