ECB理事会は市場予想に沿った内容で、ドラギ総裁の発言もサプライズはなし。慎重なスタンスながら次回10月26日の会合にて、来年以降の資産買入れプログラム(量的緩和策)の段階的縮小について決定する旨を示唆したのは、8月下旬のジャクソンホールでの発言内容からも読み取れたもの。
ユーロの上昇は、「ユーロ買い」というより「ドル売り」がもたらしたもので、それは米国債買い(長期金利の急低下)の方が意外性があった。先日から時に2.1%を割れていた米長期金利は7日の引けで2.089%に。NY株が目立って売られているわけでもなく、結局、北朝鮮情勢や間髪を置かず迫りくるハリケーン「イルマ」の被害に対する懸念が作り出したものだろう。
昨夜のユーロドルの動きは、時間差を置いて、本日アジア時間の午後に対円でのドル売りという形で表れることになった。ドル円は、108.50円を割れ、年初来安値となる108円割れへと加速した。唐突に108円割れがやって来た印象だが、もともとNY金の上昇を予想すると為替はドル安円高を読むことになるので、あまり違和感はない。
この流れの中で、金はアジアの時間帯に早くも1360ドル超えへと買われることになった。
果たして“北の将軍”は、世界が思っているようなスケジュールでさらなる威嚇に踏み込むほど単純なんだろうか。