本日は国連安保理にて対北朝鮮経済制裁強化の米国案を採決予定で日本時間の明朝には決議したいというのが米国側の意向のよう。そのため中ロに妥協する形で、石油の禁輸については“数量規制”になりそうだとNHKなどは報じている。
拒否権を持つこの2国のどちらでも1国反対に回れば成立しない。ただし、採決の意志表示をせず「棄権」という手があることから、それにより成立というパターンがある。しかし、ロシアが割って入ったことで、話が以前よりややこしくなっているようだ。中朝間に以前ほどの緊密さはなく、入ったヒビにロシアが楔(くさび)を打ち込み、ひび割れを大きくすることで北朝鮮に急接近という印象が強い。このあたりの最近の動きも、今回の採決には反映されることになる。
今回の制裁には、公海上での北朝鮮船籍の船の「臨検」も含まれ、成立すれば米朝間の偶発的な交戦の可能性は一気に高まりそうだ。北朝鮮側が素直に臨検を受けると思えないからだ。否決された場合、米国の次の一手は何か?いずれにしても手詰まり感は否めない。決議したらしたで北朝鮮側の報復は、どの程度になるのか。なし崩し的に北朝鮮の核保有を認めるという事態は、アジアの安全保障の流動化につながるので、出来ない話。煮詰まりそうだ。
指標では、今週は9月14日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)が、為替と金価格の方向を左右することになりそうだ。ロング拡大中のNY金。値位置が上がると押しの値幅も拡大する。1350ドルのラインは売りが控えるので、一気にとは行かない水準。ロング整理の大きめの調整が欲しい。