亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米国版百家争鳴 「Federal Open Mouth Committee」

2015年10月14日 21時12分50秒 | 金市場

13日も米国で主な経済指標の発表はない中で、FRB高官の発言が続いた。ブラード・セントルイス連銀総裁、タルーロFRB理事が講演やメディアインタビューで登場した。

この中で「現時点では利上げするのが適切だとは思わない」として慎重に経済情勢を見極めた方がよいとの見方を示したタルーロFRB理事が目に付いた。というのもFRB内では金融規制の担当で公の場で金融政策について語ることは多くない人物であること。さらに昨日取り上げたブレナードFRB理事と同じだが連銀総裁ではなくイエレン議長のおひざ元のFRB理事が現時点での利上げに反対としたことにある。繰り返すが、一般的には、FRB内部は議長、副議長に同調的であることが多いとされる。もっともタルーロ理事の金融政策に関する発言はこの夏(8月だったか?)にもあったと記憶しているが、その時はコアメンバーに同調した内容だった。

昨日の書き込みに「FOMC」とは「Federal Open Market Committee」ならぬ「Federal Open Mouth Committee」というものがあって、まさに言い得て妙。笑える・・・けど、足元の実態を表している。

同じことを書くのだが、これをイエレン議長はどうまとめるのか。失業率とインフレ率の関係(フィリップス曲線)など、従来のパターンが出なくなっている現状に対し、タイムラグと捉えるコアメンバーに対し、イヤイヤ構造が変わった可能性があるけんデータをもう少し時間を掛けてよおく見ようよ・・・というのがブレナード理事の言い分のようだ。建設的な意見の割れというべきだろうが、市場の受け止め方は建設的だろうがなんだろうがハッキリしてくれ・・というもの。

本日の指標はこれから発表される9月の米国小売売上高が注目指標なっているが、昼間の中国のPPI(生産者物価指数)も注目を集めた。43カ月連続の落ち込みでしかも下落率もこのところ大きなものとなっている。こうした中で株価の本格的な戻りは無理だろう。そういえばアジアの時間帯で前日と異なり買われた金だが、8月の戻り高値は更新したものの売り直される展開。米国指標の結果にどう反応するか。

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