亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

6月のFOMCが最大注目点

2012年04月26日 23時27分07秒 | 金市場

比較の問題ではあるが、このところ金市場では20ドル程度の急落の直後に急反発というパターンが頻繁に起きている。といってもNYコメックスでのこと。昨夜はFOMCの声明文と経済・金融見通し、さらにバーナンキ議長の記者会見と予定のイベントが進む中で価格は動いた。

声明文には足元の環境では当然ながら追加緩和策に関する言及は元より示唆するものもなく、発表直後はそれらを期待してた向きからの失望売りが出て金価格は15ドルほどの急落となった。内容的には、経済成長見通しが前回に比べやや上方修正された表現になっていたが、前回とほとんど変わりはなかった。バーナンキ議長の記者会見については、ロイターが“Fed stands pat but says will act if needed”との見出しで報じていたが、まさに「必要あらば出動」というスタンバイ状態ということは以前から同じだし、当面そのスタンスということ。ただし、FOMCを前にした講演会でイエレン副議長が、次回6月のFOMCまでに緩やかながらも持続的な成長が続くならば、6月にツイスト・オペが終了した後に、継続策を取らない可能性を示唆していた。昨夜の記者会見でバーナンキ議長も同じ発言をしていた。それでも十分緩和的で、引き締めには当たらないと。

結局、以前と同じことを書くが、5月、6月に発表される各種指標の結果が下半期を方向づけることになる。いずれにしても6月のFOMCが最大注目点に変わりなし。

話題は変わるが、価格が高止まりしていることと政府の輸入規制(関税)で需要期にもかかわらず買いが落ちているインドだが、ETFの残高が過去1年で44%伸びたというニュースがあった。具体的には42億3000万ルピーから60億800万ルピーになったと。ドルベースでは1億1580万ドルとなる。金の購入というと宝飾品が主流だったが、地金や金貨さらにETFへと対象も変わりつつある。


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