亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「利上げ」というより「正常化」への強い意志を示したFOMC声明文

2015年10月29日 20時52分19秒 | 金市場

さて昨夜はここにFOMC声明文よりも、これから発表される経済指標の方が方向性を示すというふうに書いた。明けて声明文を見て、この指摘は外れではなかったが、“next meeting”なる具体的な表記があり引き上げの可否を12月に下すとなっていた。その判断は、これからの指標によるということに。

それにしても“次の会合”で引き上げを決めると示唆したわけではないが、年内利上げの意向を何度も繰り返していたので、その発言との整合性はある。思うのは、FRBの金融正常化(ゼロ金利離脱)への強い意志を示したということ。このまま米国版“異次元緩和策”を続けることへの懸念と違和感。さらに「ゼロ金利状態」という中央銀行として通常の政策手段を持たない状態からの離脱を求める強い意志があってのことだろう。

その上で、執行部たるFRBの理事間でも意見の相違が生まれていることから、11月そして12月前半までに発表される指標を元に、精査、検証して判断し、意見の相違を埋めようということ。それで要件を満たさなければ、12月も見送りということか。

それにしても今夜発表の7-9月期GDP速報値や明日の雇用コスト指数の結果をFOMCは既につかんでおり、それらを加味した上でこうした内容になったという分析もあったが、どうかなぁ。何か確証があって、そういったことを書いているのだろうか。まぁ、これはあと数時間で結果はでる。アトランタ連銀のモデルによる解析では27日までは年率換算0.8%だったが28日は1.1%の予想になっていた。1-3月期のマイナスを当てて注目されるようになった指数だが、こちらもどうなるか。

金価格のほうは、見送り声明文も無風を先読みして、昨夜の更新後も上値を追っていたが、フロアの引け後に発表された声明文に一転急落状態に。25ドルほど下げ、底からジリジリと戻りに入った。こっちもnext meetingにやられた口といえる。しかし、ユーロが急落(ドル急騰)で1.10を割れ1.08台まで売られた割に金は1150ドルを維持したのは、一応の評価は出来るのではないか。

いずれにしても、利上げというより、正常化へのFRBの希求は強い。そりゃ、そうだろう、という感じ。


本日は、大手町の日経本社ビル内にスタジオのある日経CNBCテレビの夕刻17時からの生放送「デリバティブ・マーケット」出演。終了後、新宿に回りデパ地下(伊勢丹)で日本酒を物色。これまでなかった和歌山の銘柄「羅生門」が登場しており、さっそく2種類買い求めて帰ってきた。田端酒造の現在の7代目当主は妙齢の女性で長谷川聡子さんという。知ってはいたが、会ったことはなかった。それが3年前だったか、甲子園に行くついでに立ち寄った阪神デパートの売り場に見えていて一緒に写真を撮らせてもらったことがある。もともとこの銘柄が好きなのと、若いのに畑違いの杜氏になり後を継いで頑張っているのを知っていたので好感がもてる酒蔵なのです。今度の土日の午後に本人が見えるとのことだったが、残念、その時間に東京にいない・・・・。



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