月初の第一週は、言うまでもなくイベント週につき、そこを通過した今週はやや手掛かり不足の週となる。米国絡みでもユーロ圏も目立ったイベントはなし。9日(水)に予定されている下院予算委員会でのバーナンキ議長の議会証言があるくらいかな。これとて先週2月3日にかなり突っ込んだ記者会見を開き、景気回復に明るさが見えてはきているが金融政策に方針変更はないとしたばかりなので、環境に変化が見られない中、わずか1週間で発言内容が変ることはない。いずれにしても「バーナンキはやる、不退転の決意で、とことん」ということ。
先週の記者会見にしても内外で高まるFRB(の緩和策に対する)非難に対するアカウンタビリティー(説明責任)を念頭に置いた試みであって、結局は、政策の正当性を前面に出した内容だった。国際的な商品価格の上昇によるインフレ圧力については、新興国での需要の高まりが背景で、個別の政策対応に委ねられるものであって、FRBの関知するところではない・・・といったニュアンスだった。(当たり前のことだが)FRBは米国経済の安定化を目指して動いているのであって、今の米国に必要と思う政策を実行しており、それはうまく行っているとした(・・・・確かに、ここまでのところは)。米国の国益を念頭に置くのは当然だろう。それが外で多少の“悪さ”をしようとも天秤に掛けたなら米国優先ということ。しかし、これほどハッキリとモノ申す議長も珍しい・・・・というか、歴代の議長は今ほどにグローバル化の波にさらされていなかったのでこうした話をする必要もなかったということか。
FRBの政策の方向は金価格を見る上でも大きな要素。この議会証言が9日で、たまたま10日(木)の夕刻の日経CNBCの生番組(デリバティブ・ワールド)に声が掛っているので、取り上げて見ようと思っている。時間に制約があるので、どの程度まで触れられるかわかりませぬが・・。
さてさて、好悪判断の分かれる1月の米雇用統計だった。結果は改めてここで取り上げぬが、報道にあまり載ってないが今回の失業者数は前月比62.2万人減の1386.3万人という数字。「失業者」とは働く意志があり、実際に求職活動をしている人を指すので、職探しを諦めたりまた天候要因で求職活動に入れなかったりということでも、失業者とは見なされなくなる。つまり数字は改善する。今回天候要因が指摘されるのは、このため。それにしても9.4から9.0%への改善は意外だった。この雇用統計にかかわらず主な経済指標は、発表前日にFRB議長には知らされているという。まぁ、中銀には数多くの調査担当者がいるので、いろんなチャネルからデータの方向性は前日といわずとも入ると思われるけど。