亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

西から東へ空飛ぶゴールド

2024年02月28日 19時50分11秒 | 金市場

2月27日のNY金は反発。前日比5.20ドル高の2044.10ドルで。といってもアジア時間からNY通常取引終了後の時間外取引を含め、上下11ドルの範囲に収まる狭いレンジ取引。相変わらず2050ドル近辺という歴史的高水準での滞留が続いている。

 

興味深いのは、年初から続くETF(上場投信)を介した現物の売りが2月もほぼ連日続いており、数十トンという相応の規模になっているにもかかわらず、高水準を維持していること。

中国はじめアジア地域を中心とする一般の草の根的な買いが入っていると思われる。

スイスから中国、インド、中東地域などへの金輸出がコンスタントに続いており、1月は全体で216トンにも拡大した。

ロンドンに保管されているETF保有のラージバー(400オンス、約12キロ)が、売却に伴い貴金属精錬所のあるスイスに空輸され、1キロバーなどに精錬された上で需要地に輸出されている。スイスはゴールドの中継基地というわけだ。

 

米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が消滅するばかりか、上半期の着手すら怪しくなっている中で、欧米機関投資家がETFを介して保有しているゴールドを断続的に手放している。それが小口化されアジアを中心に引き取られることで、金市場の需給バランスは安定した状況にある。

こうしたバランスを見た上でのことと思われるが、価格がこのところのレンジ(2000~2050ドル)の下限に接近あるいは下回ると、NYコメックスではファンドの買いが優勢になり下値が支えられている。毎週末、米政府機関CFTC(商品先物取引委員会)が公表するデータにそれが表れている。

現物の買い引き合いの中には、一般だけでなく中央銀行も含まれているとみられることは、今や周知といえる。

さらに加えるならば、中国やインドなど需要大国を含め新興国の経済発展の結果、一般の所得水準(可処分所得)が近年、上がっていることもゴールド需要のすそ野を広げている。日本経済もインバウンド需要ということで、その恩恵にあずかっている。

 

ちなみにゴールドの輸送には貨物機は使わない。旅客機が使われる。国際線搭乗の際に、同じ機の貨物室にゴールドが搭載されていることもあるだろう。このところゴールドは空路、西から東に大量に飛んでいる。

当欄のメンテにあまり気を配っていなかったが、本日、ブックマークに連載中のマネックス証券のサイトのURLを加えるなど手を入れてみた。年月を経過する中でサイト管理の仕様なども変わっており、変更方法も変わっており時間が掛かりそうで放置しておりました。

 

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