本日のECB理事会。さらに踏み込んだ政策変更は見られなかった。元々、最終的な量的緩和策の採用は議論に時間を要すると見られ年明けとの見方が大勢だったが、このところの中銀はどこも「期待への働き掛け」や「サプライズ」という心理的効用も加味して動いていることから、一応今回はなし、しかし、不意をつくような決定があっても不思議はなかろうと思っていたが、波乱はなかった。やはりドイツを中心にした反対論は根強く、さらなる議論が必要ということか。原油価格の下落の影響について評価をする必要があり、今回の決定を見送ったとドラギ総裁が記者会見で述べているようだ。
ところで、昨日もNY金はドル高の中で買われた。ドルインデックスは、ついに89ポイント台に乗せてきたが、ドル建て金は逆行高となった。米系メディアは、量的緩和策に突っ込む可能性のあるECBの政策を先取りして買われたというような解説記事を載せていた。おや??という印象を持つのは、これまではECBの緩和策拡大はそのまま対ユーロでのドル上昇と解釈され金の下げ要因としてきたはず。ここにきて量的緩和策に焦点を当て、通貨供給=金にプラスという論調に変わるような気配。何とはなく風向きの変化を感じるのだが、もう少し市場の動きを見たい。