亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

どこもかしこも、こう着状態、煮詰まり

2014年06月04日 23時21分53秒 | 金市場

昨日は「投資家の関心は金から離れ・・・」と書いたが、そうした状況を映す3日のNY市場の金価格は、コメックスのフロア取引(通常取引)で安値1240.20ドル、高値1247.90ドルのわずか7.7ドルの範囲に収まる煮詰まった状態。終値は1244.50ドルだったが、ほぼレンジの中央値。寄りが1244.10ドルだったので、4本足では40セントの違いで入り引け同値の十字線が登場するところだった。

今週は週後半にECB理事会そして米雇用統計とイベントが続く。今夜は雇用統計の前哨戦と言うわけではないが、方向性を類推する材料となる給与計算代行など雇用サービスのADP(オートマチック・データ・プロセッシング)が発表する5月の民間雇用推計が注目された。前回は22万人の増加となったが、今回の予想は21万人の増加となっていた。約1時間前に発表されたデータでは、まず前月の22万人増は21万5000人増に、3月も当初の20万9000人増から19万8000人増にそれぞれ下方修正された。・・で5月の結果は予想を大きく下回る17万9000人増となった。

このデータの結果は、労働省発表の(非農業部門)雇用者数と必ずしも整合性を持つものではないが、その動向を類推する材料という位置付けとなっている。週末発表の雇用統計については28万8000人増となった4月よりは増加ペースが落ちて予想は21万人増となっている。本日のADPの結果からは確かに雇用者数の増加ペースが前月より落ちるという予想は、説得力を持ったことになる。

もうひとつ米4月の貿易収支も発表され、予想の408億ドルの赤字を大きく上回る472億ドルの赤字となっていた。マイナス成長となったことで注目された1-3月期GDPだったが、回復基調がマーケットで織り込まれている4-6月期GDPにとって貿易赤字の拡大は押し下げ要因となる。

さて今夜はこのあとISM非製造業景況指数、そしてベージュブック(地区連銀経済報告書)の公開が予定されている。それにしても金のみならず各市場ともに値動きの乏しい状況に陥っている。こうした期間はエネルギーが溜まり、次の大きな値動きにつながるというのが一般的な捉え方。NY株も連続新値更新といえば聞こえはいいが、内実は過去最高値圏での保ち合い相場であって、それはそれで煮詰まった状態といえる。


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