亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

大勢をみる

2010年04月26日 23時54分40秒 | 金市場
先週末のギリシャ支援着手決定のユーロ上昇に乗じた金価格の上昇。もっぱらショートカバーと見られる買いが背景と見られる。動向が注目される金ETF「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」だが、2月中旬に明らかになった大株主の異動では、新たに中国のソブリン・ファンドCIC(中国投資公司)の名前が登場し話題となった。その保有株数は145万株。1株=10分の1オンスゆえに重量換算で14万5000オンス、約4.5トンとなる。この数量でも大きな増加となる。一方で4月20日に報じられたところによると、継続的に、金を買い増しているロシアの中央銀行は3月には15.5トンほど購入したと見られ、年始から約25トンほど増えたと見られている。しかし、このニュース、ほとんど市場の刺激材料とならなかった。

今週はFOMCが予定されており、その声明文の文言が引き続き注目事項となっている。「異例の低金利を長期に」という部分の変更はなかろうというのが大勢意見か。(早期切り上げ見通しも)ずいぶん後退したものだ。FRBが3月まで続けてきた金融機関からの資産買い取りの総額は1兆7500億ドル。日本円にして約160兆円となる。金の地上在庫16万3000トンは、オリンピックプール3杯強に相当するという話は少し金に詳しい人なら常識の範疇だろう。その時価総額は、約600兆円となる。米国が1年間でばら撒いた(新規に発行した)ドル紙幣が日本円で160兆円。中国の4.5トンの取得が話題となる金市場は、まことに小さいというわけ。その金市場の投資家のすそ野が広がっている。大勢を見よう。


2010年4月27日15時42分 記入ミスにつき一部訂正 

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2 コメント

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金ETFの中国の購入量 (鎌倉主夫)
2010-04-27 09:33:40
いつも参考にさせて頂いております。 
今回のエントリで金の重量の計算に一箇所疑問があります。 
中国のソブリン・ファンドCIC(中国投資公司)が、金ETF「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」を145,000株購入した、とのことで、1株が1/10オンスとのことですから、
31.1g x 1/10 x 145,000 = 450,950g =450.95kg = 0.45095トン
という計算になるのではないでしょうか?
(エントリの大勢の意味に影響は無いと思われますが)
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CIC購入 (K)
2010-04-27 15:43:38
ご指摘ありがとうございます。私の誤記入です。145万株とするところを14万5000としたもので、4.5トンに誤りはないです。総取得株数が145万株です。
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