起こりそうにない(発生の確率は非常に小さい)が起きればリスクの度合いが大きい(損失の程度が甚大)という「テール・リスク(Tail Risk)」と呼ぶ。X軸に損失の程度を、Y軸に発生の可能性をとった確率分布を示す中央部が高くなる山形のグラフの尻尾(tail)の部分に位置することから英語表記でこのように呼ばれる。発生確率からは「想定外」のリスクである。今年はそれが頻発した。今週は、後半にサプライズが続いた。6ヵ国・地域の中央銀行によるドル資金供給拡大策は、バーナンキFRB議長の戦略というところ。今夜の失業率8.6%もサプライズだった。市場の予想は前月比変らずの9.0%だった。このところ株価上昇の材料には金価格も追随して上昇というパターンが多かったが、もとより本質的には金融緩和策が遠のくような材料には下げで反応し、逆は上げる。今夜の雇用統計の結果を金市場は、判断しかねている。