今年の7月は涼しかった。ところが梅雨明け後は例年の通りの猛暑。しかも雨が降らない。
北関東のこの辺りは、夕方には必ず入道雲が湧きたち夕立が起きる。しかし、このところ私の家の周辺は起きない。この地域を避けているようだ。このままでは雷電神社に雨ごいをしなければならない。
館林の気温は、アメダスポイントが郊外に移転した後、日本最高を記録することはなくなったが、実際は暑い。
猛暑日、熱帯夜が連続し、日平均気温も30度を超えている。
年月日 |
気温(℃) |
降水量 |
||
平均 |
最高 |
最低 |
(mm) |
|
2019/7/27 |
28.6 |
33.8 |
24.4 |
34.5 |
2019/7/28 |
28.9 |
34.6 |
24.9 |
9.0 |
2019/7/29 |
29.4 |
35.1 |
25.9 |
0.0 |
2019/7/30 |
30.0 |
36.3 |
25.3 |
0.0 |
2019/7/31 |
31.0 |
36.9 |
26.4 |
0.0 |
2019/8/1 |
31.4 |
37.4 |
26.8 |
0.0 |
2019/8/2 |
31.4 |
37.5 |
26.8 |
0.0 |
2019/8/3 |
31.1 |
37.2 |
26.7 |
0.0 |
2019/8/4 |
30.6 |
36.3 |
26.5 |
0.0 |
2019/8/5 |
30.7 |
36.6 |
26.0 |
0.0 |
2019/8/6 |
31.0 |
37.1 |
27.3 |
0.0 |
2019/8/7 |
31.0 |
37.6 |
25.9 |
0.0 |
2019/8/8 |
31.3 |
38.5 |
27.2 |
0.0 |
2019/8/9 |
31.1 |
37.9 |
26.4 |
0.0 |
2019/8/10 |
30.8 |
36.6 |
26.2 |
0.0 |
昨年、我が家の庭でクビアカツヤカミキリの被害が確認されたとブログに書いたが、今年は更に拡大している。
昨年は桃が被害に遭い、今年は プルーン2本がやられた。更に梅も被害に遭い始めた。この害虫の悪いところは、実や葉を食い荒らすのでなく、幹に入り込み、木そのものを枯死させてしまうこと。我が家でも桃1本、プルーン2本が枯れ、梅も来年は枯れそうだ。
外来生物は国内に入って一挙に繁殖するが、その後エサとなる生き物が減り、結果として外来種も少なくなる場合が多い。以前のライギョなどもそのような経過を辿った。
しかし今回の場合はどうか。それまでに桜などの大木が全滅したり、また果樹園に入り込んだら農家は深刻な事態となる。何とかならないものか。
前回、次の仮説を立て新旧観測点の気温の状況を観察したが、関連性があったのは最高気温が高い時に新旧の気温差が拡大するだけだった。
- 新旧の気温差は気温が高くなるほど拡大する。
- 新旧の気温差は風の強い日ほど空気が拡散するため縮小する。
- 新旧の気温差は風向により異なる。北風の日は旧観測点の方が高く、東風の日は新観測点が高い。
その後、7月2日から7月28日までのデータに加え、8月18日までのデータを追加し分析したが、風向や風力と新旧の気温差との間には関連性は見られなかった。
そこで今回は、7月2日から8月18日までの日照時間や降水量と新旧の温度差との関連性について分析してみた。その結果、日照時間が長い日ほど旧ポイントの温度は高くなり、逆に日照時間が短いと新旧の差は無くなるという相関関係が得られた。
日照時間が長いと気温も高くなることも多く、したがって最高気温が高いほど、旧ポイントの方が気温が高くなるということになる。しかし最高気温は日照時間だけで高くなるわけでなく、その他の因子も影響をしている。その影響で相関関係が弱まることになるのかもしれない。
冬の晴れの時も、日照時間が確保できるため、気温差が出ていたのかもしれない。ただし冬期は日中時間が短いため、夏期の晴れの日より気温差が出ていない可能性もある。
今回の結果から、日照時間が長くても高温にならない素材で環境整備をすればヒートアイランドは防げることになる。アスファルトやコンクリートの材質をやめ、土や芝生にすればいいということかもしれない。
いずれにしても、館林においては、アメダスポイントを移設してから8月18日まで間、日本最高気温は記録していない。
今年の暑さは異常。とにかく暑い。館林と同じ北関東で日本最高気温を記録した熊谷の7月の気温を比較してみた。
2018年7月の気温
項目 |
平均 |
最高 |
最低 |
猛暑日 |
熱帯夜 |
||
日平均 |
日最高 |
日最低 |
|||||
熊谷 |
28.9 |
34.5 |
24.6 |
41.1 |
18.8 |
18 |
17 |
館林 |
28.8 |
34.5 |
24.8 |
39.4 |
19.3 |
18 |
17 |
2017年7月の気温
項目 |
平均 |
最高 |
最低 |
猛暑日 |
熱帯夜 |
||
日平均 |
日最高 |
日最低 |
|||||
熊谷 |
27.8 |
32.8 |
23.9 |
36.2 |
20.9 |
9 |
11 |
館林 |
28.1 |
33.5 |
24.3 |
37.8 |
21.3 |
14 |
12 |
このデータから見えてくる主なポイントは5つ。
- 熊谷と館林を比較すると、熊谷は最高気温は高いが、最低気温は館林の方が高い。
- 昨年と今年を比較すると、熊谷、館林ともに最低気温以外はすべて今年が高い。
- 昨年は館林の方が熊谷よりすべての項目で高かった、今年は両者が拮抗している。
- この要因は、館林の観測点が郊外に移転したことが影響している。
- しかし観測点が移設しても、館林は全国トップクラスの暑さである。
ここまで暑いと心配になるのは2020年の東京オリンピックと、今年の夏の甲子園。
対策とすると、開催する場所、時期、時間を変更することが考えられる。例えば、東京オリンピックはマラソンだけでも会場を札幌に移せないか。甲子園はすべてのゲームを早朝と夜間に移動できないか。これらを真剣に考えるべきである。
私のプライベートな暑さ対策は次の3つ。
- 猛暑日と熱帯夜が重なった日は走らない。
- 走り出す時の気温が30℃を上回っていたら走らない。
- 大会は熱中症の危険があるときは出走しない。
とにかく、今年の暑さは注意が必要だ。
最後に、NHK健康チャンネルがまとめた「特集 熱中症を防げ!知っておきたい予防と応急処置のまとめ」と「全国各地の暑さ指数」が参考がになる。
館林のアメダスポイントが移設し1か月が経過した。そこで、新旧ポイントの最高気温を比較検証してみた。
まず、4つの仮説を立ててみた。
- 旧観測点の方が中心市街地に近いため、ヒートアイランド現象の影響により高い気温となる。その温度差は1℃程度。
- 新旧の気温差は気温が高くなるほど拡大する。
- 新旧の気温差は風の強い日ほど空気が拡散するため縮小する。
- 新旧の気温差は風向により異なる。北風の日は旧観測点の方が高く、東風の日は新観測点が高い。
<1つ目の仮説の検証>
7月2日から28日までの約4週間の観測では、旧観測点の方が平均で0.51℃高かった。これは想定の1℃より小さく、旧観測点が異常に高かったとは言えない。過去のデータや個人的に計測してきた観測値から、新旧の差を1℃程度と推定したが、意外と少なかった。
<2つ目の仮説の検証>
仮説通り、気温が高い方が新旧の差が拡大する傾向にある。ただし仮説から外れるデータもあり、自然現象の複雑なところ。
最も気温差が拡大したのは1.2℃。それは最高気温が30~35℃の時であり、35℃以上の猛暑日ではなかった。最高気温が30℃を下回ると最高気温は新観測点の方が旧観測点より高くなる傾向がある。
<3つ目の仮説の検証>
最大風速と温度差の関係を調べたが、仮説とは異なった。風が弱くても気温差が拡大するとは限らない。
<4つ目の仮説の検証>
最大風速時の風向と温度差の関係を調べたが、これも仮説とは異なった。気温が最も上がるのは中心市街地。旧観測点は市街地の南側にあるため、北風の時、気温が上がりやすくなる。また新観測点は市街地の西側にあるため、東風の時、気温が上がると仮説を立てた。しかし、中心市街地の熱気はそこまで運ばれなかったようだ。
グラフの横軸は、風向を0から15の16方位に分け、北を0、東を4、南を8、西を12とし表したもの。調査が7月のため、東風の4前後が多く、北風や西風の0や12はない。そのため比較することも出来なかった。
今年は暑いと思っていたら、今日、熊谷が最高気温を更新してしまった。気温は41.1℃。ところが館林はベストテン入りしていない。
その理由を「観測地点が消防署から県立高校に変更になったから」と書いている記事もあるが、それだけではない。確かに旧観測点は40.1℃まで上がっていた。しかし、観測史上1位を更新した地点に比較し、それほど暑くない。
では、その原因は何か?
北関東が暑くなる原因は、東京からの温められた空気が来るからだけではない。40℃を超える時はフェーン現象が発生している。今回も観測史上1位を更新したところは、すべて北西からの山越えの風が吹いていた。
ところが、館林は午前中までは北西からの風だったが、正午を境に風向きが変わり東風となってしまった。そのためフェーン現象の影響がなくなり、記録更新とならなかったのだ。
観測地点 |
熊谷 |
青梅 |
寄居 |
桐生 |
館林 |
順位 |
1 |
2 |
5 |
5 |
- |
最高気温 |
41.1 |
40.8 |
39.9 |
39.9 |
39.4 |
発生時刻 |
14:23 |
13:29 |
15:03 |
14:56 |
14:41 |
風向 7時 |
西北西 |
西北西 |
北西 |
西北西 |
西北西 |
8時 |
西北西 |
北西 |
北北西 |
西 |
北北西 |
9時 |
西北西 |
北西 |
西北西 |
西 |
西北西 |
10時 |
北西 |
北西 |
北西 |
北西 |
西北西 |
11時 |
北西 |
北西 |
西北西 |
北西 |
西北西 |
12時 |
北西 |
北北東 |
北北西 |
北西 |
東北東 |
13時 |
北西 |
北東 |
北北西 |
北西 |
東北東 |
14時 |
北西 |
東北東 |
北 |
北北西 |
東 |
15時 |
北北東 |
南南東 |
北 |
東南東 |
東 |
16時 |
東 |
南 |
北北西 |
東南東 |
東 |
17時 |
東 |
南南東 |
東北東 |
東北東 |
東南東 |
18時 |
東南東 |
南南東 |
南東 |
北北東 |
南東 |
各観測点とも最高気温は午後2時前後に記録している。その時はまだ北寄りの風で、東向きの風に変わったのは午後3時以降。 青梅は午後2時に東寄りに変わっていたが、最高気温はそれ以前の午後1時29分に記録していた。
単なる猛暑日は東京からの影響が考えられるが、40℃を超える日はフェーン現象の影響である。
信じられない暑さ。
午後11時でまだ30℃を上回っている。館林を含め、前橋、伊勢崎、熊谷など、北関東の各都市は軒並み30℃を超えている。以前から感じていたが猛暑日は我慢できるが、熱帯夜は我慢できない。日中は暑くとも、寝る時点で27℃程度になり、朝方は25℃を下回って欲しい。
ところが今日は深夜になっても30℃を下回らない。気になるのは、梅雨明けしたにもかかわらず、夕立が全く起こらないことだ。逆に夏に夕焼けさえ見えている。異常としか言いようがない。
4年前にエアコンを購入して本当に良かった。
ところで私は、1週間前に剪定作業がたたり熱中症になり、さらにその後ぎっくり腰になってしまった。それに加え、連日の酷暑のためランニングは完全中止としている。
館林のアメダスの観測地点が移設、そのデータが開示され5日が経過した。このデータを見ると消防署の旧ポイントの最高気温が、館林高校の新ポイントよりすべて高いわけでないことが分かる。
月日 |
館林地区消防本部 |
群馬県立館林高校 |
気温差 |
||
最高気温 |
時刻 |
最高気温 |
時刻 |
||
7月2日(月) |
37.5 |
14:31 |
36.7 |
15:05 |
0.8 |
7月3日(火) |
37.1 |
13:43 |
36.4 |
13:25 |
0.7 |
7月4日(水) |
33.5 |
14:04 |
33.5 |
13:59 |
0.0 |
7月5日(木) |
27.8 |
16:41 |
28.1 |
14:07 |
-0.3 |
7月6日(金) |
22.8 |
12:51 |
23.0 |
9:02 |
-0.2 |
最高気温は、気温が低い日は新ポイントの方が高く、逆に、気温が高い日は旧ポイントの方が高くなっている。
これは、新ポイントは水や木々の緑に囲まれ、旧ポイントはアスファルトやコンクリートに囲まれていることが影響していると考えられる。水と岩石を比較すると比熱の関係上、水の多いところは暖まりにくく冷めにくい傾向にあり、寒暖の差が小さくなる。一方、岩石の多いところはその逆に寒暖の差が大きくなる。
新旧ポイントの気温を単純に最高気温のデータのみで回帰分析するとで次のようになる。
Y(新ポイント)=aX(旧ポイント)+bの1次回帰分析の結果は次のとおりで、Y=Xの場合の気温は28.9℃となる。つまり最高気温が28.9℃を下回る場合は新ポイントの方が気温が高く、28.9℃を上回る場合は旧ポイントの方が高いことになる。
傾きa |
0.929387 |
重相関 R |
0.999063 |
切片b |
2.0412572 |
重決定 R2 |
0.998128 |
この1次方程式の早見表は以下のようになる。
消防本部 |
館林高校 |
気温差 |
|
消防本部 |
館林高校 |
気温差 |
22.0 |
22.5 |
-0.5 |
|
31.0 |
30.9 |
0.1 |
23.0 |
23.4 |
-0.4 |
|
32.0 |
31.8 |
0.2 |
24.0 |
24.3 |
-0.3 |
|
33.0 |
32.7 |
0.3 |
25.0 |
25.3 |
-0.3 |
|
34.0 |
33.6 |
0.4 |
26.0 |
26.2 |
-0.2 |
|
35.0 |
34.6 |
0.4 |
27.0 |
27.1 |
-0.1 |
|
36.0 |
35.5 |
0.5 |
28.0 |
28.1 |
-0.1 |
|
37.0 |
36.4 |
0.6 |
29.0 |
29.0 |
0.0 |
|
38.0 |
37.4 |
0.6 |
30.0 |
29.9 |
0.1 |
|
39.0 |
38.3 |
0.7 |
この程度の気温差はどの自治体でも起きており、館林の旧ポイントが極めて高かったとするのは行き過ぎた意見である。ただし、全国一の日最高気温は僅かな温度差で決まる場合が多く、このわずかな気温差が館林を連日日本一にした可能性はある。
しかし、全国一位にならなくとも連日ベストテンに入っており、暑い街であることには変わりはない。
今後データを増やし、さらに分析をしなければ詳細は分からないが、風の影響もあると考えられる。風の強い日は空気が攪拌され気温差が少なくなり、逆に弱い日は気温差が大きななると予測される。精度を高めるためには、先ずはデータ数を増やすことが必要だ。