今の山事情・・・日本の山を救えますか。

2007年07月27日 | 信州の木材
 県の林務部の皆さんが、唐松の話で見えてくださった。県も森林整備事業で間伐をしているが、市場にはほとんど出てはいない。切捨て間伐が多い。

 これを責める訳には行かない。間伐という手入れはしなければならないが、木材が市場に出たとしても末端の需要がない限りは価格破壊の元となる。そうなると補助金でやっと成り立っている素材生産業者を弱体化させるからである。

 ここにきて二酸化炭素関係からみの森林整備事業の予算が付いているようだ。
そして、石油などの資源と同様木材も輸入に変化がおきている。。

 県として、今業界がどのように考えているかが知りたいのだと思う。
悲しいかな、絶対的に不足するだろう傾向にはあるが、今すぐにどんと胸を叩いてどんどん出材してくださいと言い切れないのだ。

 唐松材の用途は主に土木用である。しかし年々公共事業は減っているのだ。
そして公共事業が本格的に始まるのは例年秋なのである。だから今が一年で一番物が動かない時期なのである。

 今年の秋になれば、確実に来年どうしなければならないかが見えるのではないでしょうか、としか言えなかった。本当に変化がおきているのだから。

 10年後過去を振り返ったとき、木材の流れが変わったのは昨年平成18年からだつたと、きっと言われるでしょう。

 話の中で各地で伐採した後植林をしないで、自然に任せる方法がとられてきたということだった。確かに植林されて40年も経った木の8割もが、捨てられている現実から見れば植林ということが無意味ということになつたのだろうか。

 しかしこれの意味することがどれほど重大であるか。背筋がゾーとした。
私たちは過去の資産をここで食い潰してしまい、未来へ残してあげられないのだろうか。

 今までは世界中から木材が調達できたからよかったが、これからはそれが難しいだろう。自然更新では、雑木は生えるだろうが、資源としては役にたたないのだ。
世界中で一番無駄に木を使ってきた我々が、それに耐えられるのだろうか。

 山は100年の計で、そう思ったが。人口の減少もありますし・・、まだまだ山には十分木はあるのでと言われた言葉が印象的だった。確かに机上では備蓄は年々増えている。

 どちらにしても山を守るにはお金がかかるのだ。いつの間にかすべてが行政だのみになってしまったのではないか。

 林務課の3人の皆さんと社長と私、このむずかしい問題に頭を抱えた。
今年の出材についても結論が出せないのに100年先なんかどうしていいのかわからない。

 今までは世界の資源を食い潰して国内の木材を備蓄してきたのだ。誰かの犠牲の上にたった幸せといえるかもしれない。

 県の林務課の皆さんが一生懸命取り組んでくださつているのがよくわかった。今それだけ緊迫してきているのが山を取り巻く実情なのだ。

                              美恵子
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