日本の山事情 パート2

2007年07月31日 | 信州の木材
 先日の林務課の皆さんとのお話の後いろいろ考えてみた。事態は私の思っていた以上に進展していたということだ。合板メーカーの出現なのだ。輸入材の価格高騰・品薄感から原料を国産材針葉樹にシフトし始めたのが昨年のこと。

 新しい需要先の出現はその消費量が大量だけにその影響は私たちのレベルにも及び始めている。
8割をも切捨て間伐しているからには、救世主といわねば成るまい。
今木を伐っても山の持主にはお金が入らない。経費の方が多いからだ。
輸入材が入らないか高騰すれば、日本の山の木も経費以上の価格となりうるだろう。そうなることにより、森林整備の方向が大きく変わっていくだろう。

 植林と下草かりにお金がかかるので、皆伐をしないで間伐という名目で整備をしている。本当に小径木ならばいいが、30年40年以上の物をそうすると、残った木をも痛めてしまうという。
ある程度になったら、皆伐して新たに植林をしていくことが、山の草木の循環からいってもどんなに好ましいか。それができるには市場価格が上がる必要がある。

 先日の話の中で山には十分木があると言われて、私はその言葉にかなりひっかかつていた。皆伐しても植林をしないで自然更新にまかせることに抵抗を感じた私の言葉に対する意見であった。その後2日間、8割をも切捨てしているのに、これ以上税金の投入をすることに意味があろうかとこだわってぐじゅぐじゅと考えていた。

 日本が以前のように公共事業がどんどんでてくる時代はあるまい、人口減少も確実だ、先人たちが植えた木を有効に使うことが出来るならいいことなのかもしれない。

 ただハイエナのように、禿山を残していくようなことだけにはならないことを祈るばかりだ。

 どんなに備蓄されているように見えても、食い潰す時になると早いだろう。
他国からの供給が難しい時代になればなおそのスピードが増すだろうから。

 それにしても30年苦しんできた山事情が大きな進展を見せ始めたことは事実だろう。

                       美恵子
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする