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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

ちょっと派手過ぎ?

2007年11月09日 | バリ
 これはバリのガムランのガンザとよばれる鍵板楽器である。青銅製の音板を木製のトンカチのようなバチでたたいて音を出すのである。さて、このガンザの彫刻と色が今日のテーマである。
 正直、私はこういうたぐいのベタに派手な楽器が「大嫌い」である。見ただけで演奏する気が失せてしまう。彫刻はとにかく、なんでここまで色を塗らなければならないのだろうか?なんだか私には成金趣味としか思えないのである。しかもこの楽器、ある有名な寺院の楽器なのである。本来、神々のために演奏するための楽器にこんな装飾をする意味は、降臨する神を喜ばすためなのか、それとも寄付や寄進が多く、よっぽど裕福な寺で、お金の使い道に困ったのか、それとも檀家の趣味なのか?ちなみに私が所有する楽器は、彫刻が施されてはいるものの、色は茶一色である。それに私が発注した大学の楽器も同様に茶色である。友人たちに「舞台栄えしない」とよく言われるが、そんなことは眼中にない。
 かつて楽器に豪華な彫刻や彩色が許されたのは、王宮の楽器だけだったという。それ以外の場所の楽器にはほとんど彫刻は施されず、見た目にも王宮所有の楽器とは違っていた。しかし、貴族も農民もなくなった今では、「金持ち」が個人で楽器を所有し、かつての王宮をしのぐような彫刻と彩色を施した楽器を所有しているという。とはいえ、裕福なものが豪華な楽器を所有して、それを自分(自分達)のステイタスにするということにおいては、昔も今も変わらないのがバリなのだけれど。