Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

観光地に示される「出口」考

2007年11月19日 | 家・わたくしごと
 バリで有名な観光地の一つである寺院に行った帰り、私は駐車場に近い「入口」から出ようとした。「出口」と書かれた方向に行くと、とんでもないお土産屋の迷路の中をさまようことになり、買わないにしてもその客引きがストレスになるからである。私の前のインドネシア人旅行者は、ガイドについてあっという間に「入口」から出て行ったのだが、外国人である私には「待て」がかかったのだった。
 警備員(英語)「出口はここではない。(指をさして)向こうから行きなさい。」
 私(インドネシア語)「今、インドネシア人の観光客はここを通って出たのに、なぜ外国人は向こうなのだ。」
 警備員(無言)ただ出口を指すだけ。
 私(インドネシア語)「私は買い物などしたくない。暑いのですぐに駐車場に戻りたい。」
 警備員(無言)ただ出口を指すだけ。
 だんまり攻撃なので、あきらめた。こんなところで口論する方が時間の無駄であると察したからである。しかたなくお土産屋が両側に50軒は並ぶとんでもない出口に突入した。その途端聞こえてくる。
 「オニイシャン、ジェンブ100イェン、コッチ、コッチ」
 「コレ、ジェンブ、1000(シェン)イェン、コレ、カッテ」
 疲れているときは、こういう言葉を「遊び」感覚で受け取れない。それにしても10年前は「1000(シェン)イェン」しか言えなかったはずなのに、相当に日本語が上達したものである。
 さて、今日は入試業務の合間、1時間の自由時間ができたので、散歩がてら「首里城」までぶらりと出かけた。日曜日の午後にもかかわらず、あいかわらずものすごい数の観光客である。年間250万人以上が首里城に来るというのだから相当である。歩きながらぼんやりサイン(矢印)見ているうちに、「出口」と書かれた看板を発見した。なるほど、首里城を見た観光客と、これから見に行く観光客で同じ道が混雑しないように、帰り道は別に作ってある。なにげなくそこに踏み入れたとたん、
「お兄さん、冷たい飲み物、アイスあるよ。ちんすこうは5箱で1000円・・・」そんな呼び込みがあっちこっちの店から聞こえてきたのだ。つまり「私(お兄さん)」に対する「客引き」である。「出口」の通路には、10軒以上のみやげ物が、整然と並んでいるのだ。しかもどのお店も、Tシャツ、ストラップ、ちんすこう、アイスクリームなどの似たようなものを売っているのである。
 結局、インドネシアも沖縄も同じである。というよりは、どの観光地でも出口にお土産屋が並ぶことは定番であり、もし違うとすればそれは、「客引きがうるさいか、うるさくないか」の違いに過ぎないのだ。とすれば、インドネシアと沖縄は、結構、いいライバルである。