Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

実像と虚像

2007年11月28日 | 東京
 この風景を見つめながら、ふとこれは自分自身かもしれないと思った。ちょうど中心から左右に半分ずつ、左右対称に二つの像が存在する。ビルの建物とその影は、どちらもその真正性を帯びて、自己主張をしているかのようだ。しかし、それは所詮、実像と虚像にすぎない。
 右側の私が笑うと、左側の私はそれを見てはにかむ。左側の私が手をあげそうになると、右側の私は、フンと言わんばかりにせせら笑う。馬鹿馬鹿しくなって私のあらゆる怒りが大きなため息とともに吐き出される。しかし、どちらが実像でどちらが虚像なのか?私の中の実像と虚像もまた自己主張を始める。いや待てよ・・・どちらも虚像なのかもしれないぞ。そして私の今まで知らない場所に、ひっそりと誰にも知られず実像は存在しているのかもしれない。結局、人生とはそれを見つけるための旅なのだろうか?