Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

五代目

2011年09月01日 | バリ
 私がワヤンを勉強した村の五代目のダラン。中学2年生だがすでにワヤンの上演ができるようになった。もちろんこれから勉強することは山のようにあるのだろうが、それにしても「血」には逆らえないものだと思ってしまう。
 村で行われた中学生の上演が上手かどうかは問題ではなく、それを見ていた村の人々は一様に安堵の表情を浮かべていた。この村でのワヤンの伝承はまだまだ途切れないことへの静かな喜びである。
 ワヤンの伝承は、この親族のことにとどまらず、この村の人々全体に大きく関わっていく。儀礼の執行とも大きく関わるし、村の人々のアイデンティティとも強く結び付いている。「おらが村には昔からダラン(ワヤンの人形遣い)がいる」ことは、この村の人々にとって、大きな誇りでもあるからだ。(8月24日に記す)(写真は後日)