Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

一人で三つ

2011年09月03日 | バリ
 バリ東部のアムラプラに儀礼で演奏する大正琴のグループの演奏を聞きに行く。大正琴という表現は正確ではなく、正しく言うと大正琴を起源とする楽器である。このグループは、6月のバリ芸術祭にも出演したグループで、演奏者が本番前(本番中)に酒を飲むグループとして、ブログにも紹介した。今回も私に「飲め、飲め」と蒸留酒を勧めるのだが、すでに数人は目がすわっていた。儀礼での演奏でもドーピングしないと演奏できないらしい。
 このグループでは拍節楽器としていわゆる大きなゴングは使用せず、写真の左のプルという楽器をゴングの代用として用いる。すごいのは、プルを左手、右手でクンプルとクレントンを演奏してしまうこと。周期が短いと大忙しなのだが、平然と演奏している。もちろん、このゴング奏者も音楽ではなく、酒に酔っている。そのせいで手の筋肉が麻痺しちゃってるのではなかろうか?
 この写真の演奏が終わった後、「置く場所を間違えたよ」と、プルを右側に置き換えた。右利きなのに、左手で重いバチをたたき続けるのがしんどかったようだ。まったく表情に出ないのでわからなかった。このおじさんたち、4時間もの間、休みながら演奏を続けるらしい。終わった後、立てるのだろうか?(ちなみにほとんどのメンバーがバイクで来ていたのだった。)(8月25日に記す)(写真は後日)


ウブドでばったり

2011年09月03日 | バリ
 6月に1週間バリ芸術祭の調査でバリに来た時、所用でウブドに寄ったらばったり道で東京で活動する日本人の踊り手に遭遇した。ところが今回もまたまた別の友人に遭遇した。
 今回はウブドの傍にいたので本屋くらい寄って帰ろうと、ガネーシャブックショップに入ったのだった。するとすぐに日本人の女性が二人入ってきた。振り返ると、なんと大阪のガムラン界の巨匠E氏ではないかい?先月、大阪に行ったとき電話して、いつも連れて行ってもらう串カツ屋の名前聞いたのだけど、今度はバリで遭遇。
 夏休みは皆、バリで自分の技を磨く季節。ベテランなのに常に技に磨きをかけるなんて素敵だな。僕と言えば、調査することばかりでなかなか新しい曲や演目をまとめて勉強することができない。もちろん研究のために出張しているのだから仕方がないのだが、そんな友人たちを見ていて、ほとんど何もできない自分にちょっぴり歯がゆい思いがする。
 今回は12月に上演するワヤンの演目をもう一度、先生とおさらいするつもりで、この演目のノートを日本から持っていた。それだけでもしっかり身につけて帰ろうと思う。がむしゃらに上演や演奏技術を身につけていた頃が懐かしい……。いつか、いつか、そんな初心に戻ってまた勉強したい。自らの夢や目的を追いつ続けている私の周りの人たちを尊敬するし、そんな彼らにいつも励まされる。(8月25日に記す)