Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

14年ぶりの越冬

2012年12月11日 | 家・わたくしごと
 本土の冬ってこんなに寒かったんだね。13年もの間、沖縄で過ごしたから、もう体がすっかりそんな「本当の寒さ」を忘れてしまったよう。これまでも東京によく戻っていたけれども長くて1週間。だから「ちょっとクーラーが効きすぎている」という感覚から「寒い」と感じる頃、沖縄に再び戻っていたのでしょう。
 東京に住んでいた頃の僕は、こんな雪が降りそうな冬空の中、革ジャンを着て250ccのバイクに乗っていたのです。何の躊躇もなく!きっと、とても寒かったはずです。でもあの頃の僕はそんな「寒さ」と戯れていたのです。悪ふざけ?バイクを駐めてコンビニで買う熱いコーヒーの缶を、ホッペにくっつけた時の感覚は体のどこかで記憶していますもの。つかの間の快楽。不思議な冬の記憶。
 これから約3ヶ月、毎日、毎日、こんな冬が続きます。東京に住む友人たちにとっては当たり前の季節の周期なのかもしれません。僕だっていつか東京に住んでいた頃の昔の自分に戻るに決まっています。この冬が終わる頃にはすっかり慣れるに決まっています。でも慣れてしまった時、何かを失ってしまいそうで、それが怖くてしかたないのです。だから見えない何かにしがみつきながら、どんなわずかなものも失わないようにと目を細めて暗闇を見やりながら、浜松でおそるおそる越冬するのです。