nodatchのブログ

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廃止間近の十和田観光電鉄

2012-01-22 20:52:00 | 国内の鉄道
3月末で廃止になってしまう十和田観光電鉄。「大人の休日倶楽部会員限定パス」が使える期間がやってきたので、今回の遠出はここにしました。たぶん、最初で最後の訪問となることでしょう。

東北新幹線「はやて」(何と「はやぶさ」用のE5系!)、八戸からは青い森鉄道を乗り継いで三沢着。八戸での待ち合わせ時間が40分あるにもかかわらず、約4時間でたどり着けるとは便利になったものです。もっとも、その新幹線の七戸十和田駅開業が、十和田観光電鉄の息の根を止める結果となったとは皮肉なものですね。

青い森鉄道の三沢駅。その脇に十和田観光電鉄の三沢駅はありました。古びた建物、昭和の面影を残す駅舎内の待合室。時間の流れが止まってしまったような空間でした。






窓口で終点までの乗車券を買い求めると、これが硬券。ついでに入場券を買ったのは言うまでもありません。寒いせいか、誰もホームに出ようとしません。ならば、写真を撮る良いチャンスとばかりに意を決してホームへ。雪が降っていないためか、思ったより寒くはありませんでした。


電車は、元東急の7700系。学生時代に東横線を使っていたせいで、大変懐かしい車両です。もっとも、あちこち改造されてはいますが、雰囲気はそのままでした。出発すると、あたり一面銀世界の中をコトコト走っていきます。

七百(しちひゃく)という変わった名前の駅が車両基地のあるところ。ユニークな凸形の電気機関車の姿も見えます。寒いにもかかわらず、ホームにはかなりの数の同業者がたむろしてました。平日の厳寒期にもかかわらず!



私は、そのまま乗りとおして終点・十和田市駅へ。30分に満たないミニトリップでした。



ホームの先で少しカーブして線路が途切れているとは妙ですが、駅が移転したためらしいです。ショッピングセンター併設の駅でしたが、テナントは撤退し、さびしい限り。雪のため、外へ出て見ると滑って転びそうで、30分後の電車で折り返すことに。その間に、窓口で鉄道グッズのキーホルダーや硬券入場券を買ったりしました。

こんな「お願い」の張り紙がありました。しかし、状況は悪化する一方で地元の支援も得られず、あえなく廃止。今まで乗ったことがなかったので、偉そうなことは言えませんが、無念です。