いまだ立入禁止となっている熊本城本丸の大銀杏が鮮やな黄色に色づき、今日テレビで映像が公開された。
加藤清正公による築城時、多くの銀杏が植えられたことから、「銀杏城(ぎんなんじょう)」とも呼ばれた熊本城。その象徴がこの本丸の銀杏だ。熊本市文化財専門相談員としておなじみの富田紘一さんの話によれば、清正公の時代に植えられたと言えるのは、この本丸の1本と加藤神社の拝殿脇にある1本の計2本だけ。よく銀杏は籠城時にその実を食料とするために植えたという伝説が語られるが、この2本いずれも雄株で実は生らない。また、本丸の銀杏が天守閣と同じ高さまで伸びた時に異変が起こると清正公が言い遺し、実際にそうなった時に西南戦争が起きたという伝説もあるが、本丸の銀杏は台風や落雷などで何度も折れたり倒れたりしている。しょせん伝説というのはその程度のものと富田先生は言う。