日本の材木 杉/文・ゆのきようこ 絵・阿部伸二/理論社/2006年初版
楽しみながら意外な発見ができるのも絵本のよさ。
江戸時代の人々の生活を支えたのが、杉というのは教科書にはでてこない。
人々の生活に必要な米、野菜、塩、醤油、味噌。これを運ぶのにつかわれたのが樽。この樽につかわれたのが杉の木。
お酒だけでも年間50万樽が運びこまれたとあります。
江戸時代のエコな生活がよくいわれますが、江戸からの糞尿は樽に入れられて、郊外に運ばれ野菜などの肥料に。
この肥料、商人や武士、庶民によってランクがあったというのは別のところでふれられていました。
昔は、輸送手段が荷馬車や船で、樽が一番適当な容器で、今の石油製品のように環境を損なわないということでも、すぐれものだったんですね。
杉というと花粉症が浮かんで、あまりいいイメージがないのですが、日本の林業が衰退してことにも原因があり、杉そのものが悪いものではないはずです。