雲の上にいってしまった子ども/世界の昔話9 北米/田中信彦・訳/ほるぷ社/1979年初版
ふたりの子どもが、たいらな岩の上に寝ころび、空をみあげているうちに眠ってしまうと、たいへなことがおこります。岩が地面からどんどんのびはじめたのです。
日暮れになっても帰ってこない子どもを心配した両親が動物たちにたずねます。
コヨーテがかぎまわって、この高い岩の上にいるにちがいないというと、動物たちがあつまって救出作戦がはじまります。
くまもキツネも、ビーバーもなかなかいい知恵がうかびません。
岩を登れるだけ登ってみようと、ネズミが、リスが、うさぎが、カモシカが、ライオンがかけあがろうとしますが、いずれも失敗。
そのとき小さなシャクトリ虫がやってみようとやってきます。みんなは馬鹿にするのですが・・・・。
シャクトリ虫は、子どもがいる岩のてっぺんまで1か月かけてのぼり、無事救出に成功します。
お話としては、シンプルですが、たくさんの動物が登場して、子どもたちが楽しめそうなお話。みんなからばかにされた小さな小さなシャクトリ虫が、子どもを救うのが、痛快です。
おちがあって、「どうやっておろしたかは、それはだれも見たことがないのでわかりません」というもの。